イチロー淡々「反応に頼るしかない」
「ブレーブス9-8マーリンズ」(6日、アトランタ)
マーリンズのイチロー外野手(41)は「6番・右翼」で出場し、3打数2安打、2四球、1得点。先発出場では6試合ぶりとなるマルチ安打を記録。連続安打試合を5に伸ばし、打率を・249とした。試合は、マーリンズが両軍合わせて25安打の乱打戦に競り負けて4連敗。借金は今季最多の23となった。
1点を追う九回の打席。イチローが対じしたのは1カ月前にメジャー昇格したばかりの剛腕、ビスカイーノだった。未知の投手。打席内での思考を問われ、「どういうものって、知らないもん」と、手探りの状態で打席に立っていたことを明かした。
初球は外角低めに外れるボール。場内の球速表示は99マイル(約159キロ)。剛腕がうなりを上げる。2球目、98マイル(約158キロ)の速球を振り抜くも打球は三塁内野席に落ちるファウル。3球目、97マイル(約156キロ)の外角高めを球審のボブ・デービッドソンにストライクと判定され、追い詰められた。
快音を響かせたのは4球目だ。初めて投じられた138キロの外角低めスライダーにバット一閃。低いライナー性の打球がレフトに抜ける。窮地を脱した一振り。「反応に頼るしかないでしょ」。イチローが淡々と振り返った。
敵地での4連戦初戦。試合前の練習中、チーム内でもっとも多くの声援を受けた。この日は三回に中前打を放って、5試合連続安打。五回と八回はいずれも四球で出塁した。5打席のうち4度出塁。断続的に雨が降る悪条件の下、集中力を保ち続けた。敵地ファンの前で存在感を示した。