イチロー、OP戦初マルチで打率3割 積極好走塁も「僕、あんなプレーしないですから」

 試合前に“敵地”のファンにサインするイチロー=フロリダ州キシミー
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 マーリンズのイチロー外野手(41)は19日(日本時間20日)、ブレーブスとのオープン戦に「6番・右翼」で出場し、3打数2安打1打点2得点。今オープン戦出場10試合目で初のマルチ安打を記録し、打率を・308(26打数8安打)とした。

 二回の第1打席はマイナー左腕バニュエロスに対し、カウント1-0からの2球目、150キロ直球を中前打。後続の三ゴロで一気に三塁まで進み、マシスの右前打で先制ホームを踏んだ。

 四回は先頭でカウント2-2から右腕マーティンのスライダーを打って出て遊ゴロ。六回2死二塁の場面では中継ぎ左腕のアウトマンから左中間適時二塁打。カウント2-2から内寄りの143キロを弾き返し、二塁走者を生還させ、後続の適時打で自らも2点目を記録した。六回の守備で交代した。

 試合は、マーリンズが3-6で敗れた。

 「当たり前じゃないです!僕、あんなプレーしないですから。めったにしないです」。

 顔中に大粒の汗をかいたイチローがクラブハウスでそう振り返ったのは二回の走塁だ。

 4戦連続安打となる中前打で出塁し、次打者の三ゴロでスタート。三塁線際の打球を処理した三塁手が一塁へ送球するのを見て一気に二塁を蹴った。

 「アウトになっても、セーフになってもタイミングを計らないといけない。どちらにしても(相手一塁手が三塁へ)投げてくれれば、それがある程度分かるわけだから」

 3年前にゴールドグラブ賞候補になっている敵軍一塁手のフリーマンを使って自身の走りの完成度をチェックしたイチロー。ギャンブルの走塁が結果的に次の塁を狙う意識を体現したプレーとなり、味方ベンチは大盛り上がり。「みんな、なんかいい感じで迎えてくれる。すごく気持ちいいですよね」と笑顔を見せた。

 今オープン戦では新しいメーカーのスパイクの感触を確認しながらプレーしている。走ることの楽しさを問われたイチローは「楽しくないよ、こんな暑い中で。走りたくないよ」と言った後、「(楽しさが)生まれてきたらいいけど、まだイメージほど体がついてきてない」と続けた。

 試合前の練習中にはマリナーズ時代のコーチだったモーゼス氏と久々に再会し、旧交を温めた。07年シーズン終了後にシアトルを離れた同氏はメジャー最年長野手となったイチローの印象について「白髪が増えた以外は何ひとつ変わっていない。イチローはイチローだよ」としきりに感心していた。

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