身障者野球の選手が始球式でバッテリー
「選抜高校野球」(20日・甲子園球場)
第1試合の福井工大福井-智弁学園の試合前に行われた始球式では、身体障害者野球の強豪として知られる神戸コスモスの2選手が登場。山本大誠選手(兵庫・須磨東2年)が投手、小浜素生(そうき)選手(兵庫・柳学園中2年)が捕手を務めた。
投手を務めた山本選手は生まれつき右脚に障害があり、軟式の神戸コスモスでは内野手。ダイナミックなフォームでノーバウンド投球を見せ、観客から大きな拍手を浴びた。
バックを守る智弁学園の選手からは「ナイスボール」と声をかけられた。「ノーバウンドが目標だった。目標通りできてよかった」と笑顔を咲かせ「普通なら立てない場所。いろんな人に感謝したい」と感激の面持ちだった。将来は「障害者野球で活躍したい」と話していた。
捕手を務めた小浜選手は右半身にまひがある。神戸コスモスでは投手。山本選手とは2、3球の投球練習でほとんどぶっつけ本番だったが「すごくいいボールだった」と満足げに言い、将来は「全国大会や世界大会に出たい」と夢を語った。
今回の始球式は9月のリオデジャネイロ・パラリンピックなど障害者スポーツへのエールと同時に、野球・ソフトボールが2020年東京五輪で実施競技として復活を目指す意味もある。