ラグビー空席、原因は見込み違い

 入口前には当日券販売がないことを知らせる看板が設置される(撮影・堀内翔)
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 「ラグビートップリーグ開幕戦、パナソニック38-5サントリー」(13日、秩父宮ラグビー場)

 ラグビートップリーグの開幕戦、パナソニック-サントリーが13日、秩父宮ラグビー場で行われたが、観客数は昨年8月22日の同会場での開幕戦よりも370人少ない1万792人にとどまり(定員は約2万人)、ゴール裏のスタンドを中心に多数の空席が生まれた。これを受け、日本ラグビーフットボール協会側が説明をした。パナソニック、サントリーという両チームの母体企業に対して合計9000枚のチケットを割り当て、ほぼ100%が来場すると見積もったが、実際にその半数ほどしか来なかったことが主な原因だとした。

 ラグビーの有料入場券は一般販売分、試合参加企業の割り当て販売分、回数チケット、年間パスポートなどに分類される。秩父宮ラグビー場は定員を2万人と想定しているが、その大部分にあたる9000枚をパナソニック、サントリーの両チームに割り当てた。回数チケット・年間パスポートが合計3000枚、協賛企業へのチケットが1200枚あることなどを考慮し、逆算して一般発売分を約5000枚と割り出した。

 11月8日に入場券完売を告知したが、協会側は「この時点では9000人が来るという話だった」と企業割り当て分がほぼ100%来場すると見込んでいた。そのため当日券も販売しなかったが、ふたを開けてみればゴール裏スタンドを中心に広大な空席が生まれてしまった。協会側の説明に基づけば、パナソニック、サントリーの両企業側への来場者確認を怠ったことが原因で、チケット担当者も「どこまでできるかは別として、ある程度やるべきだったと思います」と非を認めた。

 半券の集計が終わっていないため正確な数字ではないとしながらも、ラグビー協会側が「(企業割り当て分の)5割ほどしかさばけていない」と頭を抱える大きな見込み違いが生じた。同協会の小西宏事務局長は「代表のつくってくれたブームに私も含めて踊ってしまった。何しろファンの皆さん、選手の皆さんを裏切るような結果になり申し訳ございません」と陳謝した。

 ラグビー人気の高まりを肌で感じていた日本代表のSH田中史朗(パナソニック)は「結局、(客席が)いつもと変わら無い状態だったので、協会にいらっとしましたね」と本音を漏らした。「五郎丸とかリーチとかメディアに出てくれて、選手がそこまで必死でやっているのに。誰が悪いのかも分からないですけど、協会がしっかりオーガナイズできていないのはありえないですね」、「ラグビー(界)としては負けの試合です」と厳しい言葉を並べた。

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