室伏広治が東京医科歯科大の教授に

 陸上ハンマー投げの04年アテネ五輪金メダリスト・室伏広治(ミズノ)が16日、10月から東京医科歯科大学の教授に就任することが発表された。これは同大学が新たに設置する「スポーツサイエンス機構」において、すでに負傷したアスリートのケアなどを行っているスポーツ医歯学診療センターに加えて、スポーツサイエンスセンターを立ち上げることになり、室伏は教授兼スポーツサイエンス長のポストを担う。

 記者会見に臨んだ室伏は、「自分が研究してきたスポーツ科学と、スポーツ医学を円滑に融合させる新たなチャレンジの機会をいただいた」と意気込みを語った。今後は所属するミズノで現役アスリート、2020年東京五輪組織委員会理事、そして大学教授という一人三役をこなすことになる。「どれも重要なポジション。すべてに全力であたりたい」と語り、活動の拠点を東京に移すことを表明した。

 6月に福島で行われた日本選手権では、ハンマー投げで前人未到の20連覇を達成。9月のアジア大会(韓国・仁川)は辞退したものの、長期間にわたり世界トップ級のアスリートとして活躍した経験をフルに生かせる受け皿が用意された。20年東京五輪でのメダル量産へ向けて、「若い選手はもちろんだが、現在のトップ選手が6年間実力をキープできるように、そして、もう少しでメダルに届きそうな選手を強くしたい」と具体的な目標を掲げる。

 8月1日から特任教授として設置準備に関わり、10月から本格的な活動をスタートさせる。同大学は12年ロンドン五輪でも柔道や女子サッカーで医療サポートを行い、メダル獲得に貢献した実績がある。そこに室伏の選手としての豊富なキャリアとスポーツ科学の研究実績を融合させ、予防から治療、トレーニングにいたるアスリートの総合的なケアを展開する。「30~40代のアスリートでも出来るトレーニング方法があると思う。いいサポート体制をつくりたい。非常に楽しみ」と新分野の開拓へ目を輝かせた。

 11年4月から務めている母校・中京大のスポーツ科学部准教授の職は、近く退任する。

 東京医科歯科大は、東京都文京区に本部を置く国立大学。医学部と歯学部がある。1928年に東京高等歯科医学校として創立。1944年に東京医学歯学専門学校となり医学科を設置。1951年に東京医科歯科大学(新制)となった。医学部の入学試験では、全国トップクラスの難易度の高さとなっている。

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