城西国際大・宇佐見が失明危機から復活

 「全日本大学野球選手権・2回戦、流通経大7-4城西国際大」(10日・神宮球場など)

 城西国際大は最終回には3点差まで追い上げ、なおも2死満塁とチャンスを作ったが、あと一歩及ばなかった。

 主将で3番を任されるドラフト候補の宇佐見真吾捕手(4年・市立柏)は「先制点を取って自分たちのペースで行こうと。初回のチャンスを生かせなかった」と悔やむ。だが2カ月前はそんな悔しさすら抱けない状態だった。

 失明の危機-。3月の大学日本代表合宿で、守備練習中にボールを左目に受けた。「(野球人生)終わったなと思いました」。受けた診断は左目眼窩(がんか)底骨折。視力は普段の1・0からガクンと落ちた。「(患部に)水がたまってしまうので」と自宅で寝たきりの生活が続くこと約2カ月。何もできず「筋力が落ちてしまった」と体重は一気に10キロも減ってしまった。

 それでも励みになったのはチームメートの奮闘。リーグ戦で快進撃を続け、神宮の切符をつかみとった。宇佐見も学生コーチとしてベンチ入りし、投手へのアドバイスや配球について意見を交わした。5月中旬に全体練習へ復帰。2試合のオープン戦を経ただけの“ぶっつけ状態”で神宮に臨んだ。

 1回戦では粘り強いリードで勝利に導いた。「肉体的にしんどいのはしょうがないので」と翌日にはブランクのせいか下半身にハリを覚えた。そんな状況で迎えた2回戦。最後は自身も四球を選んでチャンスを拡大したが、生かせなかった。守りでの動きは本来のキレとはほど遠い状態。ただ本人にとっては「選手権に出れて良かった」とグラウンドに戻れたことが今大会最大の収穫だ。

 「状態は8割くらいまで戻ってきた。まだボールの見え方だったり、ゲーム感だったり。秋はもっといい状態で迎えられると思う」と力を込めた宇佐見。本来の輝きを取り戻すための第一歩を、神宮の舞台で踏んだ。

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