ドジャース走塁コーチが明かす、大谷翔平が左膝痛でも走るワケ スタート時に膝にかかる負担を軽減するための工夫とは
ドジャースのクリス・ウッドワード一塁コーチ兼走塁コーチが7月31日(日本時間8月1日)、左膝炎症に悩まされながらプレーしている大谷翔平投手の走塁について語った。
5月16日のエンゼルス戦で6盗塁目を記録して以降、盗塁から遠ざかっている大谷が二盗を試みたのは、7月29日のマリナーズ戦だった。
カウント1-1からスタートを切ったが、打者パヘスが右前へはじき返したため、結果的にランエンドヒットとなり、一、三塁と好機を拡大。後続の適時打で得点した。
ウッドワードコーチは、大谷が自らの判断で走ったことを認めた上で「あそこまでいいスタートを切るとは思わなかった。あのスタートからの加速なら、打者が見送っていたら楽に成功していた」と高く評価。ただ、膝が万全ではない状態を考えると、無謀にも見えるプレーだったが、そこには小さな工夫があったことを明かした。
「僕たちは盗塁をする時はどんな形が一番いいかという話し合っていて、膝に負担をかけないためにはスタート前に小刻みにステップを踏むのがいいということになった」。
グリーンライト(選手の判断で走る許可)を与えているかとの問いには「毎回、走っていいと言っているわけではない。ここは走らない、ここに動かないでおこう、と、こちらが止める場合もある」と否定。その上で「ただ、彼が調子がいいと言っていて、展開的に勝ちにつながる状況なら、彼には走塁のリズムや感覚を失ってほしくないと僕は思っている。走塁は走り続けないと力は落ちていくものだから、完全に走らせない状況は避けたい。特に選手が状態がいいと言っている時はね。『君が行けると言うなら僕は信じる。ただ、ケガを悪化させるような動きだけは絶対にしないこと。痛みが出たり、悪化する可能性があるなら何もしないように』と伝えている。彼もそれは理解しています」と言った。
膝に爆弾を抱えた状況で一番やってはいけないこととして「急停止」を挙げた同コーチ。フレディー・フリーマン内野手が24年9月に右足首を捻って重傷を負いながらポストシーズンも強行出場したことを例に出しながら「選手はガラス細工ではない。それに、どちらかというと、翔平は自分がタフであることを示したいタイプだ。少々の違和感で立ち止まるような選手ではない。もちろん、彼は世界最高の選手だから、みなさんが心配するのも理解できるが、私は彼が無茶をしないと信じている」と続けた。
就任2年目。大谷が出塁した際に塁上で同コーチとヘルメットをぶつけあう“ヘッドバンプ”はすっかりおなじみの光景となった。大谷と接してきて実感したのは「打撃と同じくらい走塁をすごく大切にしている」ことだ。「翔平は勝利のためにできることをすべてやる選手だ。だから、彼は走るんだ」と力を込めた。
