山本由伸、原点回帰で本領発揮「いい投球ができる時の自分の気持ちを再確認」1回5失点炎上から5回無失点快投へ

 雨の中、力投する山本(共同)
 雨の中、マウンドに向かう山本(共同)
 カージナルス戦に先発し、1回を投げ終えベンチでタッチを交わす山本(共同)
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 「ドジャース5-6カージナルス」(30日、ロサンゼルス)

 グラブを叩いて感情を爆発させた。待ちわびた本拠地ドジャースタジアムの初登板。「歓声もすごいですし、すごく気持ちよくピッチングできました」。山本由伸投手が雨と寒さの悪条件の下、5回2安打無失点の快投を披露した。

 最高の立ち上がり。初回に先頭ドノバンをカーブで凍り付かせて見逃し三振を奪うと、続く22年MVPのゴールドシュミットを宝刀フォークでバットに空を切らす。返す刀で3番ゴーマンを空振り三振。圧巻の15球で地元ファンを熱狂させると、マウンド上でグラブをパーンと叩いた。

 待ちわびたのは、本拠地初登板だけが理由ではない。前回、21日の韓国でのメジャーデビュー戦。制球難とパドレス打線の猛攻で4安打2四死球5失点。わずか1イニング、43球でノックアウトされた。

 韓国から戻った後は時間をかけてじっくり調整。登板日も当初予定されていた第2戦ではなく、一日遅らせた。

 「少しずついい感覚が出てきてるのもありましたし、(次の登板に向けて)どうしていくかっていうのは明確にあったので、へんな焦りとか、不安とかはそこまでなかったですけど、前回の登板は失敗してたので、今日まではすごく長かったですね」

 韓国では走者を背負った時のセットポジションのグラブの位置をへそのあたりにしていたが、この日はオリックス時代と同じ胸の前に戻した。打者をツーストライクに追い込んだ後は「エイッ!」と声を上げて投げる呼吸法を実践。一球入魂のピッチングで敵をねじ伏せた。

 試合開始時から降っていた雨はイニングごとに強くなり、五回のマウンドに上がろうしたところで試合が35分間、中断した。その時点で球数はわずか51だった山本は首脳陣と話し合って続投を決断。五回2死から左中間へこの日唯一の長打となる二塁打を許したが、後続をピシャリ。マウンドを降りながら何度もグラブを叩いて気を開放した。

 山本の快投にこたえるかのように味方打線が五回裏の攻撃で2点を援護。勝利投手の権利を持って降板したが、七回に救援投手がつかまり、メジャー初星を手にできなかった。チームは九回裏に追いつく粘りを見せたが、延長十回に力尽きて3連勝を逃した。

 降板後のベンチではチームの逆転を祈っていたという山本。この日の登板を振り返り、「日本で登板してきた時と同じことをやろうと。いいピッチングできる時の自分の気持ちとか、そういったところを再確認して落ち着いていきました」と、原点回帰を強調した。

 オリックスで3年連続4冠の投球を評価され、投手史上最大の12年3億2500万ドル(約463億円)の契約を結んだ。「次はもっともっといいピッチングができるように引き続き練習していきたいと思います」。山本の快進撃がここから始まる。

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