大谷翔平には感服も 米メディアが一様に「知りたかった」〝真実〟は?水原氏は明らかに痩せていた 後味の悪さ残った会見

 ドジャースの大谷翔平選手(29)は25日(日本時間26日)、本拠地ロサンゼルスのドジャースタジアムで、通訳を務めた水原一平氏(39)の違法賭博の疑いが発覚して以降初めて報道陣に対応し、胴元への送金や賭博についての自身の関与を完全否定した。公私にわたって固い絆で結ばれていた“相棒”のまさかの裏切り。大谷は「ウソ」という言葉を6度も使って水原氏を断じた。

 ◇  ◇

 感服した。その表情にこそ、多少の硬さは見えたが、毅然とした態度や声のトーンや抑揚は試合後の囲み取材の時と変わらず、どこまでも落ち着き払っていた。改めて大谷の心臓の強さを実感させられた会見だった。

 米スポーツ専門局ESPNとロサンゼルス・タイムズ紙のスクープによるスキャンダル。会見4時間前に届いたド軍広報部からのメッセージには「質疑応答なし、声明文のみ」とあった。記者を含む日米報道陣の大方の予想は「調査中のためお話しできることはありません」。ところが、ふたを開けてみれば…。

 記者の感情が動いた瞬間があった。大谷が「一平さん」と口にした時だ。球場外の2人の関係は知る由もないが、クラブハウスやフィールドで見る大谷のそばにはいつも水原氏がいた。誰よりも多くの時間を共有してきた人間であること間違いない。ただただ切なかった。

 大谷の持つ透明感なのか、時々こちらを見る瞳がそうさせたのか、発した一つ一つの言葉に『ウソ』は感じられなかった。その一方で、質疑応答のない会見に後味の悪さが残ったのも事実だ。

 会見後に話した米メディアのドジャース担当の記者たちは一様に「イッペイがどうやって選手の銀行口座にアクセスできたのかを知りたかった」と言った。

 「少なくとも450万ドル(約6億8000万円)」と報じられた巨額の損失に気づかなかったことが信じられない。ここ数カ月、水原氏は明らかに痩せていた。そういう外見の変化や、日頃の言動などから何らかの異変を感じることはなかったのか。水原氏から“真実”を聞かされた時、怒りの感情を抱いたり、責めるような言葉をぶつけたりはしなかったのか。

 すでに連邦当局やMLBの調査が始まっており、制約もある中で大谷は最大限の説明を行ったとは思うが、それでも、まだまだ明らかになっていないことは多い。質疑応答がなく、記者として大谷の言葉を引き出す機会を与えられなかったことは残念だ。(デイリースポーツ大リーグ担当・小林信行)

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