大谷、渾身の自虐ネタで爆笑誘う 12連敗阻止へ 同僚右腕「ユーモアのセンスがいい」
「エンゼルス-レッドソックス」(6日、アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手(27)が「2番・指名打者」で出場することが発表された。チームは前日のフィリーズ戦で逆転サヨナラ負けを喫し、球団ワーストの13連敗にあと2に迫る11連敗。5月29日以来、7戦ぶりの本拠地で負の連鎖を断ち切りたい。
みんなを笑わせた。試合開始3時間前の左翼フィールド。キャッチボールのためのグローブだけでなく、珍しくバットも一緒に手にした大谷が、ストレッチをするブルペン陣の輪の中にふらりと入っていった。
二刀流選手のため、日ごろは試合前の時間を個別練習に割いている大谷。気分転換に調整法を変えるのかと思いきや、投手一人一人に声を掛けながら相手の股間付近を中心にバットで触れていった。ハーゲット、バリア、イグレシアス。対象となったのは5月30日から前日までのニューヨークとフィラデルフィアの遠征で被弾した投手だった。“悪運”をバットで取り除くことが狙いだったのだろうか。前日のフィリーズ戦で4点リードの八回にハーパーに満塁弾を浴びた抑えイグレシアスにはシャツの中までバットをねじ込んだ。
しかし、これで終わらないのが大谷だ。自身が2日のヤンキース戦でジャッジらに自己ワーストタイの3本の本塁打を許していることも忘れているはずがない。最後は輪の中心で自分の体にバットを何度もこすりつけるようにして爆笑を誘った。
エンゼルスは前日は中盤の5点のリードを守り切れず、八、九回に2被弾7失点で11連敗。球団ワースト記録の13連敗を目前にしている。前日の試合で九回にサヨナラ3ランを打たれたハーゲットは「ユーモアのセンスがいいよね。ああしてみんなをリラックスさせていた。僕たちは大丈夫だ」と話した。
この日の大谷は試合前にキャッチボールなどで次回登板に向けて調整した後、バットを手に中堅フェンスのむこうにある室内ケージへ移動した。
大谷はここまで投打同時出場9試合を含む54試合に出場し、打率・242、11本塁打、32打点、7盗塁。前日のフィリーズ戦は四回に5戦ぶりの長打となる右翼線二塁打を放ち、一挙5点の猛攻に加わったが、その後は沈黙。うしろを打つ主砲トラウトが自己ワースト7戦30打席連続無安打のスランプに陥っており、2人の完全復調がチーム浮沈のカギとなるのは間違いない。
レッドソックスの先発は右腕のワカ。カージナルス時代の15年と17年に2桁勝利を記録するなど、メジャー通算66勝を挙げている10年目のベテランは、今季はここまで8登板、3勝1敗、防御率2・43と安定した投球を披露している。
大谷は初対戦となった5月3日の試合で遊直、中前打。自身を含め、仲間たちの“悪運”を取り除いた漆黒のバットで7戦ぶり12号なるか。
▽エンゼルスのラインアップ
1番・三塁 ダフィー 打率・313、0本塁打、4打点
2番・DH 大谷 打率・242、11本塁打、32打点
3番・中堅 トラウト 打率・274、13本塁打、28打点
4番・一塁 ウォルシュ 打率・258、10本塁打、33打点
5番・捕手 スタッシ 打率・258、4本塁打、11打点
6番・左翼 マーシュ 打率・256、4本塁打、27打点
7番・二塁 レンヒーフォ 打率・253、2本塁打、7打点
8番・右翼 アデル 打率・217、3本塁打、9打点
9番・遊撃 ベラスケス 打率・185、2本塁打、11打点
投手 シンダーガード4勝3敗、防御率4・02





