大谷 “米国のショウヘイ”から二塁打 敵軍“投手”はジョーク「もう少し筋トレ必要」

 「エンゼルス12-0レイズ」(10日、アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が「3番・指名打者」で出場し、5打数2安打1得点。2戦連続マルチ安打で打率を・258とした。10点リードの八回の打席では投手としてマウンドに上がった外野手フィリップスから右翼フェンス直撃の二塁打。あと1本に迫っているメジャー通算100本塁打はあす以降に持ち越された。試合は、味方先発デトマーズが球団史上12度目、球団の左投手では52年ぶりとなるノーヒットノーランを達成。チームは3連勝で貯金を10とし、ア・リーグ西地区の首位を守った。

 「すごく楽しみにしていた対決だった。米国のショウヘイ対日本のショウヘイ」。

 エンゼルスに完敗し、静まり返ったレイズのクラブハウスでフィリップスはそう言った。8点差がついた八回。それまで右翼を守っていた自称「米国のショウヘイ」がマウンドに上がった。

 1死一塁からトラウトに9号2ランを浴びて点差が10に広がった。実は今回が3度目登板。二刀流の活躍でMVPを獲得した大谷は尊敬の対象でしかない。昨季の登板で150キロを超える速球を投げたが、この日は時速85キロ前後の“チェンジアップ”を投げ続けた。カウント1-1から外角高めの88キロを捉えられた。時速175キロの弾丸ライナー。右翼フェンス直撃の二塁打にされた。

 右翼の守備中にスタンドからビーチボールが飛んでくると、破棄したり、球場係員に手渡したりせず、拾ってふたたび敵地ファンに投げ返すサービス精神の持ち主。自身を取り囲んだ日米メディアを前にさらにこう続けた。

 「僕は彼が非常にパワーのある選手だと聞いていた。でも、きょう僕が見たのはフェンスに当たる打球だった。もしかしたら僕のボールを初めて見たからかもしれない。僕が見てきたのはホームランを打つ姿だ。なのにきょうの彼にはできなかった。果たして、僕は彼をいい打者に見せることができたのだろうか?」

 そう真顔で言ったフィリップスは、二塁打がメジャー100本目の本塁打になる可能性があったことを伝え聞くと、すかさずジョークを口にした。「僕は二塁にいる彼を見て思ったよ。もう少し筋トレが必要なんじゃないか、ってね。だって、聞いていた打撃とは違ったからね」。さらに速球を封印した理由を問われると「もし直球を投げていたら三振になっていたかもしれない。そしたら日本のファンは僕のことを嫌いになるだろうから。今日の二塁打でみんながハッピーになった。ホームランを打たれなかった僕もハッピーだ。ウィンウィンだ。あとは前に進むだけだ」。

 この日は試合前のフィールドで大谷の昨季MVP受賞を記念したセレモニーが行われ、スタンドからMVPコールが起こった。七回の守備中にビーチボールを客席に投げ返したあと、MVPコールを受けたフィリップスは「ファンは僕と彼がつながっていることを知っているんだね」と言って笑顔を見せた。

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