【記者の目】サイン盗み首謀者はコーラ氏…アストロズ監督とGMは“シロ”

 米大リーグ機構(MLB)は13日(日本時間14日)、アストロズにサイン盗みの事実があったとして、チームに対して今年と来年のドラフト1巡目、2巡目指名権のはく奪、史上最高額となる500万ドル(約5億5000万円)の罰金、さらにA・J・ヒンチ監督とジェフ・ルノーGMの今季の職務停止の処分を科したと発表した。球団は同監督と同GMを解任した。

  ◇  ◇

 今回のサイン盗みの首謀者はコーラ氏だ。1年間の職務停止処分を受けたルノーGMとヒンチ監督は厳密に言えばシロ。同監督に至っては、サイン盗みのために使用していたモニターを破壊したとの報告もある。

 2人に対する処罰の理由は「監督不行届き」。目の前の違反をやめるように言わず、現場の問題をフロントに報告しなかったからだ。一方のルノーGMも、MLBが全30球団に2度にわたって「電子機器によるサイン盗み禁止」を通達したにもかかわらず、内部調査を怠った。

 処罰の対象にはならなかった選手たちの中には「監督からやめるように言われれば、やめていた」と証言した者もいたという。「サイン盗み」は勝つための手段の一つ。暗黙の了解。その行為自体を軽く考えていたと言わざるをえない。

 17年に球団初の世界一。アストロズ打線の代名詞「フライボール革命」が一気に広まったのはサイン盗みと時を同じくする。打球に角度をつけて飛距離を伸ばす技術。球種が分かっていれば…。

 17年ポストシーズンのアストロズへの分配金は約33億5000万円。街への経済効果や球団の資産価値の上昇から見れば、史上最高額の罰金約5億5000万円も厳罰とは言い難い。

 現在、MLBは18年にサイン盗みをしていた疑いのあるレッドソックスを調査中。就任1年目のコーラ監督の指揮の下、チームは世界一に輝いたが、これで解任は間違いないだろう。(デイリースポーツMLB担当・小林信行)

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