マー君、5回3安打1失点で勝利 松坂に並ぶPS3勝目

 「ア・リーグ地区シリーズ・第2戦、レッドソックス2-6ヤンキース」(6日、ボストン)

 ヤンキース(ワイルドカード)の田中将大投手(29)がレッドソックス(東地区)戦に先発し、5回を3安打1失点で勝利投手になった。試合は6-2で、チームは1勝1敗のタイとした。田中はポストシーズン通算3勝目(2敗)で、メジャーの日本投手では松坂大輔(現中日)の最多勝利記録に並んだ。アストロズ(西地区)はインディアンス(中地区)に2連勝し、リーグ優勝決定シリーズ進出にあと1勝とした。

 メジャー最高打率を誇るレッドソックス打線を手玉に取った。5回を投げて3安打。失点はソロ本塁打の1点のみ。異常なほどのライバル意識を燃やす敵地ファンをも沈黙させた田中は「自分のすべてを出し切れていた思う」と胸を張った。

 初回にジャッジが3戦連発となる先制弾を放つなど、序盤で試合の主導権を握った。先頭の出塁を一度も許さず、連打もゼロ。「一人一人、一球一球、神経を使って投げた」。全78球のうち変化球は60球。宝刀スプリットを31球も投じる変則的配球で相手につけ入る隙を与えなかった。

 ポストシーズン3勝目。通算防御率1・50は、球団史上最高でメジャー歴代5位(いずれも先発5試合以上)。大舞台で実力を発揮した右腕をブーン監督は「マサヒロは素晴らしかった。とても効果的な投球だった」と絶賛した。

 負ければ王手をかけられていた試合。1勝1敗で第3戦をホームで迎える。「勝って帰れることはすごく大きいと思っていたので最高の結果になった」。大役を果たした安堵(あんど)感とチームを勝利に導いた充実感。田中の表情はすがすがしかった。

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