「ブルージェイズ４－５エンゼルス」（２３日、トロント）

　エンゼルスの大谷翔平投手（２３）が「５番・指名打者」でフル出場。１－３の九回１死満塁で中前に２点適時打を放って同点とした。直後にメジャー初盗塁となる二盗を決め、後続の打者の適時打で生還した。チームは５－４で逆転勝ちした。

　塁上で珍しくガッツポーズを見せた。２点を追う九回１死満塁。大谷がバットを折りながら中前へ運ぶ２点適時打を放った。「ああいうヒットは技術どうこうじゃなくて食らいついた者勝ち。こっちに運があった」。執念の同点打でチームに逆転勝利をもたらした。

　打ったのは１ボールからの２球目。読みは直球系だったが、外角へ逃げるチェンジアップにバットが反応した。「ヤバいとは思った」。想定外の球種。「いいところに飛んでくれてよかった」。安どの表情を浮かべた。

　１８日のレイズ戦の第２打席以降、快音が途絶えていた。移籍後ワーストの１１打席連続無安打（３四球含む）。しかも五回と七回の打席はいずれも得点機に凡退していた。「こちら側に問題があった。打てる球を打てないのはストレスになる」。３度目の正直に「すごい試されている感じはあった」と言った。

　出塁後は自らの判断でスタートを切り、メジャー初盗塁となる二盗に成功。後続の中前適時打で生還した。ソーシア監督が「内野手が前進していた状況。いいプレーだった」と称える足技だった。

　「再三のチャンスを僕がつぶしていた。いい結果になってよかったなと思います」

　日米報道陣による試合後の囲み取材。「ホルヘー！」。同僚がからかい半分で叫んだ愛称に、大谷がこらえきれずに笑みをこぼした。