大谷「アメリカに来て一番思った通りに投げれた」憧れのイチローに“勝つ投球”披露し満足感
「マリナーズ2-8エンゼルス」(6日、シアトル)
エンゼルスの大谷翔平投手(23)が七回途中6安打2失点で3勝目(1敗)を挙げた。左足首捻挫の影響で12日ぶりの登板はメジャー自己最多タイの98球を投げて6三振3四死球、防御率4・10。最速は160キロ。最遅119キロのカーブを多投するなど、敵軍を翻ろう。憧れの存在、イチローの前で六回まで無失点に抑える好投を披露した。
4月27日のヤンキース戦で走塁の際に左足首を捻り、大事を取って予定されていた1日の登板も回避した大谷。12日ぶりとなったマウンドは立ち上がりが心配されたが、初回を3人、11球で片付けた。過去4試合の登板で最多で3球だったカーブを1イニングだけで4球投じた。身内の不幸で戦列を離れている正捕手マルドナドの代役、リベラとは公式戦初バッテリーだったが、敵軍の意表を突く配球で出鼻をくじいた。
味方の2本の本塁打で2-0となった二回は1死からシーガーに中前打、2死からは四球で一、二塁のピンチを背負ったが、8番ズニーノを142キロスプリットで遊ゴロ。三回は三者凡退で締めた。四回は2死から単打を許したが、後続を断った。
ビデオ検証に救われたのは五回。2死一塁からゴードンに中前打を打たれ、一塁走者は三進。中堅トラウトから三塁への送球はきわどいタイミングでセーフと判定され、一、三塁のピンチかと思われたが、エンゼルスベンチがチャレンジ権を行使。走者の足がわずかにベースから離れていたため、判定は覆って「アウト」に。大谷はベンチ前でトラウトが戻るのを待ち、感謝のお辞儀をした。
味方打線が4点を加点し、6-0となった六回は2死走者なしから4番クルーズに死球。カーブが抜けて背中に当たる瞬間、マウンド上で「あーっ!」と大声。一塁上の敵軍主砲に謝る仕草を見せた。続くシーガーを二ゴロに打ち取った。
七回は先頭のハニガーに中前打。この日初めて先頭打者を出すと、続くヒーリーにフルカウントから低めのスライダーを左越え2点本塁打。ズニーノにストレートの四球を与えたところで降板した。拍手と歓声、ブーイングが入り混じる異様な空気の中、マウンドを降りた。
試合後の大谷は捻挫した左足首の状態について「(影響は)なかったです」ときっぱり。「制球もアメリカに来て一番思った通り投げれてましたし、体自体もいい感じで動いてはいたので良かったと思います」と、メジャー自己最多タイとなる98球を振り返った。
注目されたイチローとの今季の対決はなくなったが、勝てるピッチングを見せたことに満足感を漂わせながら「個人的にもチームとしても勝てたのがすごいよかった」と話した。


