イチロー「これが最後ではない」 来季復帰“条件”付き超異例のフロント入り

 試合前にファンの声援に応えるイチロー(共同)
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 「マリナーズ4-1アスレチックス」(3日、シアトル)

 マリナーズのイチロー外野手(44)がメジャー出場の前提となる40人枠を外れ、会長付特別補佐に就任したと3日、同球団が発表した。今季の残り試合は選手としてプレーせず、チームに同行し、同僚や首脳陣らをサポートすることになり、同外野手が会見した。現役引退ではなく、ディポトGMは来季以降に選手復帰の可能性はあるとした。

 スーツではなく、ユニホームを着て会見場に現れた。6年ぶりの古巣復帰からここまでの約2カ月を振り返るイチローの表情に、暗さはなかった。

 「毎日が僕にとってはギフトを贈られているようなもので本当にハッピーでした。今日もそう。これが最後ではない、ということをお伝えする日になったわけですけど、とにかくハッピー」

 公式戦143試合を残してのフロント入りを決断。「大好きなチームメート、大好きなチームがこの形を望み、それが一番の彼らの助けになるのであれば、喜んで受ける」。来季の復帰を認める超異例の待遇には「ホントに信じられないことですよ」と感謝した。

 目指すは来年3月の日本での開幕戦。実戦から遠ざかることを「新しいチャレンジ」と表現する一方で「僕は野球の研究者でいたい。アスリートとしてこの先どうなっていくのか、毎日鍛錬を重ねることでどうなれるのかを見てみたい興味は大きい。仮にこれで終わりだったとしても、僕は(鍛錬を)続ける。だから、喪失感は実はない」と言い切る。

 将来の殿堂入りが確実なメジャー最年長野手の周りに若い選手が集まる様子を見て、ディポトGMは「クラブハウスではダライ・ラマのようだ」と表現した。それを伝え聞いたベテランは「僕用の袈裟(けさ)でも用意しますか」と絶妙な返しで笑いを誘った。

 会見後はバットとグラブを手にフィールドに出た。選手に交じって打撃や走塁の練習をした。試合中はベンチ入りが許されないため、室内のテレビで試合を観戦。勝利の瞬間、一番にベンチから飛び出し、仲間たちにねぎらいの言葉を掛けた。

 10カ月後の戦列復帰。「改めて決意表明するのもおかしな話だけど、来年僕が240パウンド(約109キロ)になってたら終わりですよ、それは。ただその可能性は低いので終わりではないと思う」。不可能を可能にしてきたことは数知れず。超人・イチローならきっとやる、やってのけるはずだ。

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