上原、金や役割より勝利優先 1年7億円のカブスより好条件の球団を蹴る

 米大リーグ、カブスは14日(日本時間15日)、レッドソックスからフリーエージェント(FA)になっていた上原浩治投手(41)と1年契約で合意したと発表した。米スポーツ専門局、ESPN電子版によると、年俸は600万ドル(約6億9000万円)だという。

 今月7日、メリーランド州ナショナルハーバーで開催されたウインターミーティング。上原の代理人を務めるピーパー氏はデイリースポーツの取材に対し、こう答えた。

 「チーム選びには多くの要素が関係してくる。契約内容や住環境、役割など。その中で今、我々がもっとも重視しているのが『勝利』です。交渉する上でフォーカスしているのは勝つチャンスがあるか、どうか。勝てるチームで8回に投げることと、あまり勝てないチームで9回に投げること。どちらを選ぶか、間違いなく、前者でしょう」。

 6球団がベテラン右腕に興味をもっていたという。

 メジャー9年目を戦う場所として上原が選んだのは、今季、108年ぶりにワールドシリーズを制したカブスだった。知将、マドン監督の指揮の下、伸び盛りの若い野手陣と安定感抜群の投手陣がしっかりかみ合い、2年連続でプレーオフに進出している。勝利優先-。代理人の言葉を裏付けるかのように、ESPNなど、複数の米メディアが「カブスより好条件を出したチームがあった」と報じている。

 今オフのカブスはブルペンのテコ入れに着手した。FAでヤンキースへ移籍したチャプマンに代わる抑えとして、ロイヤルズとのトレードで今季27セーブのデービスを獲得。メジャー通算93セーブの実績をもつ上原は新守護神につなぐセットアッパーとして期待されている。

 上原が胴上げ投手になったのはレッドソックス時代の13年。快投に次ぐ快投でチームをワールドチャンピオンに導いた。来年4月に42歳になる右腕が、チームの連覇、そして、自身2つめのリングを目指し、躍動する。

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