球児、手術乗り越え437日ぶり登板

 「ロッキーズ13‐4カブス」(6日、デンバー)

 右肘の靭帯(じんたい)修復手術を受けて故障者リスト(DL)入りしていたカブスの藤川球児投手(34)が6日(日本時間7日)、敵地デンバーで行われたロッキーズ戦で戦列復帰。1回を無安打1死球無失点だった。昨年5月26日のレッズ戦以来、437日ぶりのメジャーのマウンドで10球を投げ、最速は92マイル(約148キロ)を計測した。

 気持ちの高ぶりはなかった。しっかり地に足を着け、目の前の敵に全神経を集中した。六回、4‐8と逆転されなお無死一、二塁、437日ぶりのマウンドでいきなり任された大ピンチ。初球、140キロのカットボールで空振りを奪った。「大丈夫」。守護神の本能が目を覚ました。藤川が手術痕を残す肘をしならせ、右腕を思い切り振った。

 前日の試合前にチームに合流。この日から戦列復帰することは決まっていたが、役割は伝えられなかった。「どんな場面でも出る準備はしとくべきだし、ゲームに備えることが自分の仕事」。試合開始4時間前のフィールドで一人、黙々と体を動かした。

 試合中はつらいリハビリを思い出すことも、感慨も「全くなかった」という。しかし、ひそかに異変は感じていた。無死満塁の場面で奪った二ゴロ併殺。大きく弾んだ打球にグラブを伸ばしたが、届かなかった。「僕が捕らなくてはいけない打球。緊張してるなと思いました」。それでも初球を投じる前にマウンドを降りて、スパイクで芝の状態を確認するほど落ち着いていたのも事実だった。

 約1カ月のマイナーでのリハビリ登板。不安がなかったと言えばうそになる。「結果を出さないと(メジャーに)戻してもらえないかもしれない」。12試合で防御率0・77。答えを出した。課題として取り組んだのは、フォークをワンバウンドさせないこと。この日投じた3つのフォークはすべて低めに集めた。結果は空振り、併殺打、飛球。「ずっとやってきた手応えが結果として表れている」と胸を張った。

 シーズン残り50試合。「ずっとゼロでいきたい。やるべきことをやっていけば最少失点でいけると思う」。大きな、大きな通過点。結果を残し続けたその先にあるものを、藤川は知っている。

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