【7月17日から】ミミズが主人公に!?……脱力系のかわいさに大人も夢中 「チェコ絵本」展、老舗文具メーカーのグッズにも注目
素朴なかわいらしさと、洗練されたデザイン性をあわせ持つ「チェコの絵本」に特化した展覧会『チェコ絵本の作り方-ボローニャ国際絵本展 受賞絵本から日・チェコ共作のコミックまで-』が、「芦屋市立美術博物館」(兵庫県芦屋市)で、7月14日から9月27日まで開催している。
世界初の絵本とされる『世界図絵』から現代の作品まで、多くの作品を展示。原画の展示に加え、作家たちの「ものづくり」の過程にも焦点を当てている。現地の作家より貸し出された絵コンテなど、普段は見られない貴重な資料を通して、チェコ絵本の魅力に迫る内容に。
ドイツやポーランド、オーストリアなどの大国に囲まれ、歴史的に侵略や支配を受けてきたチェコ。その中で「自分たちの言葉を守ることが、国を守ることにつながる」という信念から、母国語や自国の文化を守り伝えるために、多くの作家が「絵本」というジャンルで芸術性の高い作品を生み出してきた。そして近年は、作家たちの最新鋭の創作に、ますます世界から注目を集めている。
同館学芸員の小林さんは「チェコの絵本の特徴は、表現方法が多種多様なことです。絵のおもしろさという点では、大人も子どもも楽しんでいただけると思います」と、作品はコラージュや版画、刺しゅうなどの技法も多彩に用いられ、原画からは立体感や繊細さが伝わる。開催初日は、大人がじっくりと細部まで観賞する姿が多くみられた。
今回、同展で紹介されている絵本の内容は、自然と人間の関わりや生命の循環など奥深いテーマを扱った作品が多く、ミミズの視点で物語が進むなど独創的な視点も目立つ。チェコ絵本の権威あるコンクール『チェコで最も美しい本』受賞作品を眺めると、サイズもデザインも多様で出版物に対する自由さも感じられる。
また同会場でしか手に入らないグッズも魅力。1790年にチェコで創業された老舗文具・画材メーカー「コヒノール(KOH-I-NOOR)」の筆記用具やポストカードのほか、『ボローニャ国際絵本原画展』など世界的な賞も受賞しているチェコを代表するインディペンデント出版社「バオバブ(Baobab)」の絵本も並ぶ。自分用だけでなく、お土産にしても喜ばれそうだ。
チェコ絵本の読み聞かせ(8月22日開催)や、毎週水曜日を、声の大きさを気にせずにおしゃべりしながら鑑賞できる「トークフリーデイ」に設定。小さな子ども連れの人も、周りに気兼ねなく展覧会が楽しめる。先日開催され大好評だった木材を組み合わせて小さな町をつくるワークショップ「まちをつくろう」は、イベント時に使用したキットを販売。
すぐ隣の芦屋市立図書館では、8月30日までチェコや周辺国の絵本を集めた展示がおこなわれており、関連絵本をじっくり読むこともできる。
特別展『チェコ絵本の作り方』は、7月14日から9月27日まで開催。観覧料は、一般1200円、大学生600円、中学生以下無料。同展覧会の半券提示で、8月22日から開催される西宮市大谷記念美術館『2026イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』が団体料金に割引されるほか、オリジナルステッカーが先着300名にプレゼントされる連携企画も。詳細は公式サイトにて。
取材・写真・文/太田 浩子
(Lmaga.jp)
