万博、『VIVANT』、原油…今注目の国を“空想旅行”大阪のアゼルバイジャンカフェ「ざくろの木」…中央アジア・コーカサス旅ブームが来る?
今年5月、アゼルバイジャン産の原油が初めて日本に到着。中東情勢の悪化を受けエネルギー調達先の高角化が進むなか、大きなニュースとなった。アゼルバイジャンは、『大阪・関西万博』の美しいパビリオンや、2023年放送の日曜劇場『VIVANT』の続編(TBS系7月スタート)のロケ地としても、日本で知名度を上げている、今注目の国。西ヨーロッパと東アジアの境目に位置する。
しかし「名前は知っているけど、どんな国かは知らない…」という人も多いかもしれない。そんな“今ちょっと気になる国”をテーマにしたユニークなイベントが、大阪メトロ「天神橋筋六丁目駅」すぐ、日本で唯一のアゼルバイジャンカフェ「ざくろの木」(大阪市北区)にて5月に開催。間際の告知にも関わらず、計6回のイベントは即日予約で満席となる人気ぶりだった。
◆ アフター万博から地元民の休憩まで…遠い国を知るきっかけは、天六の気軽なカフェイベント名は『空想航空 ざくろの木 AIRLINES Baku行き特別便』。搭乗ゲートはカフェ、目的地はアゼルバイジャンの首都バクー。お茶と文化をめぐる“空想フライト”だ。
会場となった「ざくろの木」は、普段はアゼルバイジャン紅茶「アゼルチャイ」と伝統菓子を楽しめる喫茶店として営業している。大阪・天六エリアでは珍しい「異国文化に触れられるカフェ」として少しずつ認知が広がりつつある。「お茶が香り高くて落ち着く」「異国感があるのに居心地が良い」「万博ロスが癒やされる」など、地元の人たちやカルチャー好きの間でも評判に。
店内では「アルムドゥ」と呼ばれる独特の紅茶グラスで提供されるアゼルチャイや、ナッツを使った伝統菓子、「ムラッバ」(果物のシロップ煮)、「ざくろジュース」などをゆっくり味わうことができる。
◆ 「サラーム!」を合図に、ガハラマン機長が披露する「アゼルバイジャンあるある」イベント当日、参加者はまず、航空券を模した搭乗チケットを受け取りチェックイン(入店)。入り口には飛行機の模型やグッズが飾られ、まるで海外旅行へ出発するような雰囲気を演出。
そこへ登場したのが、“機長”に扮した「ざくろの木」オーナーで、『大阪・関西万博』の「アゼルバイジャンパビリオン」のオペレーションマネジャーを務めていたガハラマンさん。
「サラーム!(こんにちは!)」という陽気な挨拶とともに、空想フライトがスタート。店内のスクリーンに映し出されたバクーの近代的な街並みや世界遺産、美しい自然、各地の料理文化などを、ガハラマン機長が解説。旧ソ連・中東・ヨーロッパ文化が交差する、アゼルバイジャン独特の空気感や、次々に披露される「アゼルバイジャンあるある」に、参加者たちは興味津々だった。
またアゼルバイジャンの伝統的なスイーツ「シェケルブラ」の制作の実演もあり、参加者たちはその様子を真剣に見守っていた。
◆ 「機内食」として登場した、アゼルバイジャンご当地グルメを解説!旅の案内のあとに運ばれてきたのは、“機内食”として提供されるアゼルバイジャン料理。メニューは7種。
・シャープロフ(Şah plov)
普段カフェでは提供していない特別料理で、アゼルバイジャンを代表するごちそう炊き込みご飯。結婚式や祝祭日、おもてなしなど、特別な日に出る料理。
サフランが香る黄金色のバスマティライスの中に、牛肉(アゼルバイジャン現地では羊肉)、杏やレーズンなどのドライフルーツ、栗などを入れ、薄い生地で包んでバターを塗りオーブンへ。カリッと焼き上がった外側の生地を切ると、中からふっくらした炊き込みご飯が出てきます。
・マンガルサラダ(Manqal Salati)
炭火焼きしたなす、トマト、パプリカ、玉ねぎをざっくり刻み、オイルや塩で和えたもの。「マンガル」はバーベキューの意味で、焼き野菜の香ばしさが特徴。
・ナスのキャビア(Badimcan Kurusu)
ナスの種の粒々をキャビアに見立て、ペースト状にしたナス、トマトや玉ねぎ、ハーブなどと合わせた料理。とろけるような食感が特徴で、カナッペやパスタソースにも最適。
・アジワルサラダ(Ajvar Salati)
赤パプリカをベースに、ナス、トマト、にんにく、油などを合わせて作られる野菜のペースト。焼き野菜の甘みと香ばしさが特徴で、トマト系よりもまろやか。
マンガルサラダ、ナスのキャビア、アジワルサラダは、アゼルバイジャンの日常の食卓に登場するおかずで、今回特別に焼いたというフォカッチャに似たふわふわのアゼルバイジャンのパンにつけて食べるとおいしい。デザートには、ムラッバ(果物のシロップ煮)を添えたチーズケーキが登場し、店名にもなるほどアゼルバイジャンでは定番のざくろジュースはとても濃厚。
中央アジアやペルシャ、ロシア文化が交差するアゼルバイジャンらしく、どこか異国感がありながらも、日本人の口にも合う優しい味わいに「想像以上に食べやすい!」と驚く声も上がった。今回参加した人のほとんどがアゼルバイジャン料理をはじめて味わったそうで、日本では非常に貴重な機会となった。
お店では、現地そのままの味を直輸入した瓶詰めした商品の販売もしているので、イベントが終わると、まるで「お土産タイム」のように、瓶詰や紅茶、グッズなどをワイワイと選ぶ光景も。
参加者たちからは、「知らなかった国なのに、一気に行ってみたくなった」「旅行番組より体験型で面白い」「本当に“旅した気分”になれた。このイベントメンバーで実際に旅行したい」そんな声が飛び交い、盛り上がった。
◆ 日本で中央アジア・コーカサス旅ブーム到来の予感…?オーナーのガハラマンさんは「2025年の『大阪・関西万博』で中央アジア地域であるキルギスやウズベキスタン、トルクメニスタンなどの国と共に、アゼルバイジャンの認知が深まりました。その流れのなかで、『次はコーカサス地域かもしれない』と感じさせる熱量が、今回のイベントに参加したみなさんから感じました」と話す。
実際、日本各地の旅行会社よりアゼルバジャンへのツアー旅行の引き合いが多くあるそう。7月からのドラマ『VIVANT』第2シーズンが放映されることで、注目を浴びたのも追い風となり、ドラマが盛り上がれば、「聖地巡礼」する人が出るなど、これからさらに活発になるかも…。
通常のカフェ営業はもちろん、今後もイベントや、旅行ツアーなども企画できたらとのこと。アゼルバイジャンに行ってみたい人も、行ってみた気分になりたい人も、アゼルバイジャンカフェ「ざくろの木」に立ち寄ってみては?
取材・文/笠嶋彩子 写真/Lmaga.jp編集部
(Lmaga.jp)
