【ブラッサム】石橋静河、モデル・宇野千代の“自分の人生を思い切り生きる”精神を胸に「ブレずに演じていきたい」

2026年度後期の連続テレビ小説『ブラッサム』(NHK総合)のロケ報告会が4月2日、物語の舞台となる山口県岩国市でおこなわれた。主人公・葉野珠を演じる石橋静河が撮影を終えて取材に応じ、朝ドラヒロインとしての意気込みを語った。

『ブラッサム』は作家・宇野千代をモデルとしたフィクションで、明治から平成という激動の100年を生き抜いた葉野珠の波瀾万丈の人生を描く。

■ 桜舞う春の岩国で、物語の原点を感じながら撮影──岩国ロケを終えての感想を教えてください。

本当に桜が美しくて。1年のうちで最も見頃の時期にここに来ることができて嬉しいです。「もわっ」とした春の優しい光の中で桜の花びらが舞うという、幻想的な景色から撮影がスタートしました。

岩国は大きな山や川に囲まれた、自然が雄大な場所。「宇野千代さんはこんなに美しいところで生まれて、のびのびと大きく呼吸をしながら育ち、感性を磨いていったんだな」と肌で感じることができたことは、役作りの大きな助けになった気がします。私もこの地で深呼吸をして、「ここから始まるんだ」という思いを新たにしました。

天気が晴れのち曇ったり、少し雨が降ったり、また晴れたりと移ろいやすかったのですが、「きっとこれは愛されるドラマになるな・・・」と感じることのできるロケになりました。

──岩国の方々とも交流を持たれましたか?

ロケでは、地元のみなさんにエキストラやボランティアでご協力いただきました。名所である錦帯橋での撮影では観光客のみなさんにもご協力いただき、少しの間通行止めをさせていただいたのにもかかわらず、優しく朗らかに見守ってくださって。本当にありがたかったです。

ロケを見に来られていたご婦人方が話しかけてくださって、「宇野さんがモデルの、あの朝ドラよね」「今、桜の時期でちょうどいいわよね。宇野さんが90歳のお祝いの会でも、桜の振袖を着たのよ」とおっしゃっていました。地元のみなさんがいかに宇野さんのことを愛し、誇りに思っているかということを感じたひとときでした。

■ 宇野千代は「特殊な人」ではない。ただ一生懸命に生きた人──ヒロイン発表の記者会見(2025年5月)では、モデルである宇野千代さんの著作や資料をたくさん読んでいるところだとうかがいました。その後クランクインまでの間に、宇野千代さんについてどんな印象を持ちましたか。

ヒロイン発表の時点では、皆さんがご存知の「完成形の宇野千代さん」に触れている段階だったのですが、宇野さんが晩年「花咲かばあさんとして生きたい」という境地に至った理由までは、まだつかめていませんでした。

でも、その後も小説やエッセイをたくさん読み進めていくうちに、宇野さんは人生の最終盤でも「苦しい」とか「悔しい」とか「嫉妬」とか、一般的にはネガティブだとされる感情もちゃんと持っていたのだと知りました。

それは決して悪いことではなくて、そういう感情をご自身のなかで噛み砕いて、本当の意味でポジティブに転換させていったのだということがわかったんです。宇野さんは「特殊な人」というわけではない。とても普通に生きた方なんだなと感じました。

いろんな出会いと別れがありながら、ただ一生懸命に生きた。そんな宇野さんの人間味を感じ、親近感を覚えました。

■ 珠は負けない人だから、演じていて楽しい──実際にクランクインして演じてみて感じた「葉野珠像」を教えてください。

物語の序盤からかなり山あり谷ありで、いろんなドラマが起こるんですが、悲壮感がないのがとても珠らしいなと、私は思っています。どんなにしんどくて辛い瞬間も、悲劇のヒロインにならずに、苦しみや恐れから絶対に目を背けない。「これは何なんだろう」と、今自分に起こっている出来事を見つめ続ける強さがある女性だなと、演じてみてさらに強く感じました。

珠は負けない人だから、演じていて楽しいです。「どんなことがあってもこの人は乗り越えていけるんだろうな」という芯の強さを、序盤から感じています。

■「自分の人生を思い切り生きる」ことが、誰かを奮い立たせる──『ブラッサム』はどんな物語になっていきそうですか。

宇野千代さんと聞くと皆さん「波瀾万丈の人生」「恋多き女性作家」というイメージを思い浮かべる方が多いかもしれません。でも、そうした「派手な部分」ではないところが、このドラマには緻密に描かれています。

宇野さんに起こったことのすべては、彼女が日々を懸命に生きた結果だと思うんです。目の前にいる人としっかりと向き合って、苦しんで、喜んで、毎日を大事に生きた。その道のりをたどりながら、宇野千代さんと、そして主人公・葉野珠の魅力をじっくりと伝えていくことができるんだと思うと、胸がいっぱいになります。

珠は、どんなに打ちのめされる瞬間があったとしても「これは自分で選んだことなんだ」と思える人。その強さが明るさにつながっていたらいいなと思いながら演じています。

モデルである宇野千代さんは、最晩年までおしゃれをして、お化粧をして、自伝を書いて、「生きること」を大いに楽しみました「自分の人生を思い切り生きる」ということが、結果、いろんな人を奮い立たせたり、パワーを与えたり、ワクワクさせたりしてきたと思うんですね。

『ブラッサム』も最終的にそういう物語になっていてほしいですし、常にそのことを念頭に置いて、ブレずにお芝居をしていきたいと思っています。

『ブラッサム』放送開始は2026年秋から。

取材・文/佐野華英

(Lmaga.jp)

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