2人の“タン担”飼育員「これからも心の中で生き続ける」…パンダのタンタン命日に感謝を伝える石碑

神戸市立王子動物園(神戸市灘区)に3月31日、来園者に長年親しまれてきた3頭のジャイアントパンダをたたえる石碑が設置された。

日中共同飼育繁殖研究の一環として2000年から飼育されてきた初代と2代目の「コウコウ」、そして「タンタン」。約24年間にわたり市民に愛され、阪神・淡路大震災からの復興を象徴する存在として、勇気と希望を届けてきた。

なかでもタンタンは、愛らしさと気品あるしぐさで「神戸のお嬢様」と呼ばれ、ひときわ高い人気を集めた。この日はタンタンの2回目の命日。同園の“タン担”(タンタン担当)として知られる飼育員の梅元良次さんと吉田憲一さんに、それぞれの思いを聞いた。

■ 石碑設置「感謝の気持ちでいっぱい」2021年に心臓疾患が判明したタンタンは懸命な治療が続けられたが、2024年3月31日に息を引き取った。人間に換算するとおよそ100歳にあたり、国内最高齢のパンダだった。

16年間にわたり飼育を担当した梅元さんは、「(担当した動物で)石碑が設けられるのは初めて。感謝の気持ちでいっぱい」と語る。

現在もパンダ舎に出入りする日々の中で「かかわりがなくなったという感じはない。寂しい気持ちはあるけど、亡くなったときも2年たったいまも『(タンタンが治療を)よく頑張ったな』という気持ちは変わらない」と振り返る。「長い付き合いの中で多くの思い出と学びをもらった。タンタンはこれからも心の中で生き続ける」と話した。

吉田さんも「毎朝、タンタンがいた部屋に足を運ぶ。写真もあり、忘れることはない」と語る一方、「記憶が少しずつ薄れていくのではないか」との不安も口にする。

かつてはタンタンが部屋から逃げ出す夢を何度も見たが、「亡くなってからは夢に出てこない」と寂しげな表情を見せる。「本当に賢いパンダだった。他の動物を担当するようになって、その賢さを改めて実感している」と懐かしんだ。

白と黒の石でパンダをかたどった石碑は、早くも多くのファンが訪れる場となっている。吉田さんは「目を引くデザインなので、10年後でも『ここにパンダがおったんやな』と感じてもらえれば」と期待を寄せる。梅元さんも「桜の木の下、タンタンが暮らした建物の近くという良い場所に設置してもらえた。タンタンもきっと喜んでいるはず」と目を細めた。

■「ゼロパンダ」の現実、それでも再び迎えたい思い一方、タンタンの死後、国内のパンダを取り巻く状況は大きく変化した。いわゆる「ゼロパンダ」ともいわれる現状について、吉田さんは「神戸に近い将来、再びパンダが来ると期待していたが、可能性は低くなった」と率直に語る。

梅元さんも「日本人にとってパンダは特別な存在。日本でパンダが見られなくなって、寂しい」としつつ、「機会があれば再び飼育に携わりたい。(神戸にパンダが来る日を)待ち続けたい」と前を向いた。

命日に多くのファンが同園を訪れたように、パンダは今も日本人にとって特別な存在。再び日本にパンダが訪れる日を、多くの人が待ち望んでいる。

取材・文・写真/西部マキコ

(Lmaga.jp)

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