「死んだ目も良い」ファンの心に寄り添い続けたオリックス×ポンタ「疫病神」から「なくてはならない仲間」へ10年の軌跡
プロ野球12球団の試合を盛り上げる、個性豊かなマスコットキャラクターたち。子どもからも大人の野球ファンたちからも愛される存在だ。「オリックス・バファローズ」(以下:オリックス)では、2011年より「バファローブル」(以下:ブル)「バファローベル」(以下:べル)が球団公式マスコットとして活躍し、試合前のグリーティングや試合途中のパフォーマンスなどに登場している。(「阪急ブレーブス」では「ブレービー」が、「オリックス・ブルーウェーブ」では「ネッピー」「リプシー」が活躍し人気を博した)
そんな中「オリックス」の本拠地「京セラドーム大阪」(大阪市西区)や、「ほっともっとフィールド神戸」(神戸市須磨区)に行くと「ブル」「ベル」とは立ち位置の異なるキャラクター「バファローズ☆ポンタ」のぬいぐるみやグッズを持った人たちが、大勢存在する。
オリックスファンたちに、「バファローズ☆ポンタ」について聞いてみると「動きが可愛い?」「試合の荷物になるのに、ポンタを持っていってしまう」「新しいグッズが出たら即購入してる」と大人気。SNSでの発信も好評で公式Xは現在フォロワー約31万人。「二次元の表情が豊か。負けた日の死んだ目も良い!」と、ファンの心をすっかりつかんでいるようだ。
◆ 今年10周年「バファローズ☆ポンタ 」ってそもそもなんなん?そんな「バファローズ☆ポンタ」(以下:ポンタ)とは、いったい何者なのか?2016年シーズンから「オリックス」のスポンサーを続ける「ロイヤリティ マーケティング」(本社:東京都)。同社の運営する共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」のマスコットキャラクター「ポンタ」が、「オリックス」を日々「全力応援」し続け、ついに10年。
単なるスポンサーではなく、専用アカウントで日々「オリックス」を応援し続けているのが特徴。勝てば、「おりほー!」などと、ハイテンションに投稿。負けるとシュールなイラストとともに、ユニフォームを脱いで「んほー…」と嘆くこともある。
こうした取り組みは、同社が、キャップスポンサーになった10年前の2016年から。SNS運用などを担当している同社の柴田さんは「前年の『BS Fan‐Festa』(ファン感謝デー)で、はじめてこの『バファローズ☆ポンタ』をお披露目しました。突然キャップの目立つ位置に新たなキャラクターのワッペンがつくということで、ファンのみなさんもざわついていましたね…そのざわつきが単なるスポンサーではなく、『オリックス全力応援』に舵を切ることにつながりました」と話す。
「イラストには、ちょっとオーバーに思われるくらいの喜怒哀楽が絶対必要でした。勝っても負けても必ず発信しようということも最初から決めていて、特に負けた時は、イライラするファンの方もいるかもしれないけど、くすっと笑ってガス抜きになれば、という思いも込めて投稿をしています」
確かに、プロフィール欄には、「試合結果に一喜一憂したり、武者修行をするバファローズ☆ポンタの応援日誌」とされており、あくまでファンと同じ目線の「応援日誌」なのだ。そんな調子で、勝っても負けても表情豊かに発信を続け、「ファンに寄り添うキャラクター」となった。
◆ 低迷期には疫病神扱いも、「自虐」で一緒に明るく乗り越えた…球団関係者の証言10年を迎えたポンタとの取り組み。球団関係者たちは、どのような思いを持っているのだろうか。
「オリックス」で広報を担当する花木さんは「2016年は『パシフィック・リーグ』で6位に終わった年。チームは今と状況が違って、成績が芳しくなく、悲惨な負け方をした試合もあった時代にスポンサーをスタートいただいたんです」と当時を振り返る。
よく考えると、そんな状況のオリックスのスポンサーになるのは、なかなか勇気がある。取り組みスタートすぐは、「『あいつが疫病神なんじゃないか?』と言われるようなことも。しかし、発信を続けると試合で負けた際、『ポンタがかわいそう』って共感してくれる人たちも出てきたんです」と柴田さんも苦笑い。
花木さんは、「成績に関係なく、ユニークな『自虐』で、ポンタがオリックスファンの心に寄り添ってくれ続けた。そうして、徐々にファンの心をつかんだように思います。ブルやベルは、球団の『象徴』ですが、ポンタはファンにとってより自分に近い存在なのでは。この10年の中では、FAで遊ばせてもらったり、始球式をやったり…一緒にいろんなことをやってきました。苦労の中でも、明るい話題を常に提供してくれたのが、ありがたかった」とポンタとの10年を笑顔で語った。
◆ おおらかでノリのいい球団「オリックス・バファローズ」との絶妙な組み合わせ柴田さんも「球場での取り組みは、球団の協力なくしては、何もわたしたちはできないんです。おそらく他だと、すぐに『絶対ダメ』と言われてしまいそうな無理難題に対しても、いつも真剣に考えていただいていています。正直、オリックスってユニフォームなんかも、かっこいい路線だと思いませんか?それなのに、『おちゃらけ』を容認してくださっている。感謝の気持ちでいっぱい」と球団のノリの良さを絶賛。
これには花木さんも「無理難題は大好物!ウェルカムです!球団は以前からおおらかな雰囲気で、関西のノリでやってます」と応え、そんな会話からも、球団とスポンサーが10年で築き上げた関係が垣間見えた。
◆ 10周年の今年はさらにオリックスファンと一緒に盛り上げるファンには既におなじみの「バファローズ☆ポンタ DAY 2026」を3月22日に、「京セラドーム大阪」の阪神タイガース戦で開催する。(2026年は5月30日、8月15日の合計3回の開催を予定)。
22日には、バファローズ☆ポンタとバファローズ☆パパポンタ、パステル バファローズ☆ポンタがグリーティングや特別始球式などに登場。クラウドファンディングにより実現した、約2.2mの「バファローズ☆ポンタデッカチオブジェ」「10周年記念シールプリント機」の設置や、「ガラポン大抽選会」などの企画を実施予定。
さらに、2026年シーズン中、オリックス・バファローズのホーム主催試合の5回裏終了時に、「バファローズ☆ポンタpresents バファローズ☆パレード」を実施予定だ。また球場外でも、3月21日から27日まで梅田で「バファローズ☆ポンタ カチ星カフェ」が開催される。
「オリックス」営業部の中尾さんや広報宣伝部の西田さんも「ポンタは今やなくてはならない、心強い仲間」だと言い、「ポンタに私たちも楽しませてもらっています。いよいよスタートする新しいシーズンも、ファンのみなさんと一緒にワクワクしていきたいです」と期待を寄せている。
取材・文/Lmaga.jp編集部
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