グリコ&チョコエッグの歴代おもちゃ、昭和・平成レトロを感じる1000点超が天保山に集結

2025年12月にオープンした「お菓子ミュージアム天保山」(大阪市港区)で、「江崎グリコ」と「フルタ製菓」(本社:大阪市生野区)の協力を得た期間限定の企画が開催中。1000点以上にもおよぶ、歴代の貴重なコレクションが展示されている。

一般に「お菓子のおまけ」として提供される「食品玩具(食玩)」。「江崎グリコ」(本社:大阪市西淀川区)では創業者・江崎利一氏の「お菓子とおもちゃは等価であり、おまけ(=添え物)ではない」との考え方を踏襲し、「おまけ」ではなく「おもちゃ」と呼んでいるのだという。菓子メーカーそれぞれにこだわりがあるようだが、以下、本稿では統一して「おもちゃ」と呼ぶ。

大人には懐かしく、子どもには新しい、世代を超えた対話を生みだす展示が実現した背景には、お菓子を「文化」として継承したいとの想いが込められている。「お菓子ミュージアム天保山」を運営する「吉寿屋」(本社:大阪府摂津市)の神吉一寿社長に話を伺った。

■ 歴代グリコとチョコエッグの競演、1000点超が並ぶおもちゃの歴史「お菓子ミュージアム天保山」は「大阪文化館・天保山」の5階にある。エレベーターを降りると、まず目につくのが「チョコエッグ」のおもちゃたち。ショーケースの中には、過ぎ去った「時代」が凝縮されているようだ。

「日本の動物シリーズ」全種をはじめ、宇宙や乗り物、キャラクターシリーズまでを網羅した精巧な造形を目の当たりに鑑賞できる。

ミュージアムの中へ進んでいくと、「江崎グリコ」から1957年以降の歴代の「おもちゃ」や歴代パッケージが並ぶ。

「オープンしたとき、お客様から『展示物が少ないのでは?』というお声をいただきました。それをいちばんに改善したいと考えたのが始まりです。お菓子の魅力を多角的に発信し、歴史や文化を継承する場所にしたいという想いに、両社が共感してくださいました」。

■ 昭和・平成レトロのおもちゃに凝縮された時代の歩み展示されているおもちゃは、子どもの遊び道具という存在を超え、時代の流行や技術の進歩を反映した、日本の近代デザイン史を物語る芸術作品ともいえる。神吉社長自身、お菓子屋の息子として生まれ育ったこともあり、物心ついたときからお菓子もおもちゃも身近にあった。

「僕らの子どものときは、スーパーカーブームがありました。車輪が回る車のおもちゃが入っていて、それをボールペンのバネで飛ばして距離を競い合って遊んでいました。今みたいに携帯電話もゲームもない時代ですから、それが当時の男の子の遊びだったんですよ」と、当時を懐かしむ。

展示では、グリコ誕生の秘話とともに、昭和から平成までの変遷をたどることもできる。平成がすでに「レトロ」といわれる現代。きわめて短期間でブームが入れ替わる時代にあっても、おもちゃの文化は時代を超え、姿を変えながら、人々の記憶に深く刻まれている。

■ おもちゃは世代差を埋める共通言語 家族の対話を促すミュージアムの役割今回の展示で神吉社長は、世代を超えた対話が生まれることを期待しているという。以前、広島の原爆資料館を訪れた際、被爆を経験した高齢の男性が、その体験を自身の言葉で語り継ぐ姿を見た。

当時を知る人が語る言葉の力に、深く感銘を受けた神吉社長。片や被爆体験、片やおもちゃだが、リアルに歴史を知る人が孫世代と語り合うきっかけになってほしいとのこと。

「子どもが、お父さんやお母さんはもちろん、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に見に来てほしいですね。『おじいちゃんの時代はこうやったんやで』と、展示をきっかけに言葉で文化を伝えてもらえたら嬉しい。そして子どもは『今の僕らはこんなんやで』と教える。そんな会話が生まれやすいのが、お菓子やおもちゃの魅力だと思っています」。

お菓子という「共通言語」で、50年くらいの世代差なら軽々と超えて対話ができる。今回のコラボ展示は、まさにそういった対話のきっかけになると、神吉社長は確信している。

日本が誇るおもちゃ文化を、これほど大規模に且つ間近で体感できる機会は多くない。かつて夢中でコレクションにいそしんでいた大人も、精巧なフィギュアに目を輝かせる子どもも、同じ目線で楽しめるはずだ。

■ 今後は体験型イベントも取り入れてお菓子文化を未来へ繋ぐ今回の展示は、グリコ、チョコエッグともに6月30日まで。そのあとは、メーカーを替えて、親子で楽しめるワークショップを開催する構想があるという。「今後はチョコレートづくりなど、実際に体験できる場も増やしていきたい」と神吉社長。

また、さらに広いスペースで、さまざまなメーカーの歴史を入れ替えながら展示することも検討しているとのこと。「お菓子とせんべいの違い」といった、意外と知らない知識を学べるコーナーの充実も目指しているという。

「中学生や高校生でも知らないような、お菓子の深い歴史を楽しみながら知識を学べる施設にしたい。『お菓子のことなら何でも分かる』といってもらえるような場所を目指します」。

「お菓子ミュージアム天保山」は将来、観光施設を超えて文化施設として発展するかもしれない。

取材・文・写真/平藤清刀

(Lmaga.jp)

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