「コブクロと一緒に紅白に出てほしい!」万博「ヨヤクナシ・ソング」誕生背景に300超の民族が共存、インドネシア人の国民性?
10月13日に閉幕した『大阪・関西万博』。深刻な「万博ロス」に陥っている人も多いようで、閉幕後も、さまざまなパビリオンに思いを馳せる人たちが…SNSでは、「万博の中でも伝説の曲となるだろう」「間違いなく万博レジェンドの一つとしてこの先長く語り継がれるであろう」など、「インドネシア・パビリオン」への思いも多数書き込まれている。
そんな、「インドネシア・パビリオン」で人気を博した、パビリオン前での「ヨヤクナシデ、スグハイレル~」という呼び込みソング。万博閉幕後、これがもう聞けなくなったことを惜しむ声が後を絶たない。年末に向けては、「今年の紅白にコブクロと一緒に出て欲しい」「インドネシアパビリオン絶対今年の紅白出た方がいい」という声も上がりはじめている。
◆ インドネシアパビリオン、目標を大きく上回る350万人が来場…その軌跡を振り返る「インドネシア・パビリオン」の「閉館式」が閉幕前日10月12日おこなわれ、関係者などが館内に集まった。そこでは、陽気なアテンダントスタッフら「ヨヤクナシガールズ&ボーイズ」の人気も影響して、当初の目標来館者数の280万人を大きく上回る、350万人が来場したと発表があった。
開幕直後は、呼び込みで「コーヒー無料」を掲げていることもあったが、ほとんど待たずに入場できる、ごく普通の海外パビリオンのひとつだった。しかし、会期途中から、案内スタッフらが歌い踊る、現地で人気の陽気な音楽「ダンドゥット」のメロディーにのせた「ヨヤクナシ・ソング」で注目を集め、SNSでも拡散。8月にはテレビ番組『月曜から夜更かし』(日本テレビ)でも取り上げられるなど、それを目当てに同館を訪れる人も増えた。そして、閉幕前には大人気パビリオンに。
また、歌とダンスのステージがおこなわれる時間は、ステージ前だけでなく大屋根リングの上から見学する人でパビリオン前は大混雑。入場列も1時間以上の待ちが発生することも。
◆ 歌って踊る『ヨヤクナシデ、スグハイレル』は多民族多言語多宗教のお国柄を反映?「ヨヤクナシガールズ」のひとりに話を聞いた。「『インドネシア・パビリオン』は、ほかのパビリオンと違って予約が不要です。ほかのパビリオンで予約が取れないお客さんがたくさんいますので、予約なしで入れるのはインドネシア館の魅力。パビリオン前では、スピーカーからインドネシアの有名な曲が一日中流れていて、その歌のリズムに合わせて『ヨヤクナシデ、スグハイレル』とお客さんを呼び始めて、それが次第に毎日のことになりました。お客様がインドネシア館に行きたいと思ってもらえる方法を考えた結果でした」と、陽気なスタッフによる自然発生的なアイデアだったと振り返った。
また、別のスタッフは「インドネシアは、1万以上の島があって、公用語のインドネシア語以外に300以上の民族が、それぞれの言語を使って、共存しているんです。国民の平均年齢も20代で若い。だから、歌や踊りで言葉を超えて、みんなひとつになって楽しもう!というカルチャーがある。『ヨヤクナシ』でお客さんを呼び込んだり、ステージで踊ったり、インドネシア人のおおらかな国民性が今回発揮されたのだと思う」と分析。
日本語が話せないスタッフが多いが、言葉や宗教を超えて一緒に歌って歌って盛り上がる。このインドネシアスタイルが、日本の万博来場者を魅了したようだ。
なお、公式なのかは不明だが、各種音楽配信サービスでは『ヨヤクナシ』『ツメテクダサイ』が配信されている。こちらは来場者が、制作した音源だとか。閉館式でも、招待された来館者から「ヨヤクナシソングのCDは発売されないのか?」と質問があり、インドネシア共和国国家開発企画長官は「CD発売を予定している」と答えていた。今後の展開にも注目だ。
取材・文・写真/太田浩子
(Lmaga.jp)
