「VIVANT」のロケ地ってほんま? 万博で今話題のパビリオンを直撃
2023年に放送された人気ドラマ『VIVANT』(TBS)の続編が、2026年に「日曜劇場」で放送予定と発表され、少しずつ情報が解禁。番組公式Xに投稿された石造りのアーチの画像には、「楽しみすぎる!」「お赤飯炊きました」など、同作ファンたちから喜びの声が相次いだ。
そんななか、「これはアゼルバイジャンではないか?」との声も。まだ正式に明かされていない『VIVANT』のロケ地について、会見で語られた福澤克雄監督や俳優の堺雅人の言葉を参考にしつつ、『大阪・関西万博』(会場:夢洲)に出展している同国パビリオンで話を聞いてみた。
◆ 日本で例えると「京都の南禅寺に行く感じ」?「この写真はアゼルバイジャンで間違いないでしょう。有名な観光地です」…そう日本語で話してくれたのは、「アゼルバイジャン・パビリオン」のオペレーションマネジャー・ガハラマンさん。
アジアとヨーロッパにまたがるコーカサス山脈とカスピ海に囲まれた国、アゼルバイジャンで生まれ育ったガハラマンさんによると、『VIVANT』の例の画像の場所は、かつてシルクロードを通って東西貿易をおこなっていた歴史的都市・シャキというところ。石造のアーチは隊商宿(キャラバンサライ)の建物だそう。
アゼルバイジャンではとても有名な観光地で、「うーん、日本で例えると京都の南禅寺に行くような感じかな? 琵琶湖疏水の水路橋もあって、インスタ映えしますよね」と、「ザ・観光地」な現地のポストカードや、同じく同パビリオンスタッフのニザミさんが現地を訪れた際の写真を見せながら、話してくれた。
実際に日本人観光客もアゼルバイジャンへ旅行に来たら、必ずと言っていいほど立ち寄る定番スポットで、キャラバンサライには今も宿泊ができる。世界遺産にも登録されている、美しい街並みや宮殿もみどころだという。
◆ ロケ地ヒントは「超親日国、だけど日本人は知らない国」?『VIVANT』の福澤監督は、ドラマ制作の取材会で「超親日国、だけど日本人は知らない国」とドラマロケ地についてコメントしていた。実際にアゼルバイジャンは日本人がビザなしで入国できる数少ない国であるため、本当に「超超親日国」。ロケ地の可能性は高い。そして、実は日本はアゼルバイジャンに「見返りを求めない経済支援」をおこなっていることが日本に対する好意を深めている理由でもありそうだ。
また、ガハラマンさんによると、アゼルバイジャンでは日本語教育に熱心で、国内の公園にも日本庭園が造られていたりと日常的にも親近感があり、日本語とも直接的な言語関連性はないものの「どこか似ている」と感じることが多いんだとか。
さらに、アゼルバイジャンでは柔道や空手などの武道も盛んで、オリンピックや世界選手権ではメダリストも多く輩出しており、さらに日本の相撲も人気があるという。ガハラマンさんも、子どものころに空手を習っていて「1、2、3、4、5…」と先生に数の数え方を習ったと言い、そこから日本への興味が湧いたそう。
◆ 次のロケ地ヒント「日本みたいに神話みたいな伝説が残っている」また会見で福澤監督が、ロケ地について「日本みたいに神話みたいな伝説が残っている」と話をしていた。
実際にアゼルバイジャンは「火の国」と呼ばれていて、この火との結びつきは古代宗教「ゾロアスター教」との関係が。ゾロアスター教は、火を神聖なものとして崇拝している。今は信者は減少しているそうだが、イギリスのロックバンド、QUEENのフレディ・マーキュリーが信仰していたことで、知っている人もいるかもしれない。
聖地はアゼルバイジャンの首都バクーから30kmのところにあり、ゾロアスター教徒の大半を占めるインド人が聖地巡礼に訪れるそうだ。
今は中央アジア地域ではほとんどイスラム教を信仰していて、現地では、昼と夜が当分の長さで訪れる「春分の日」はユネスコの無形文化遺産にも登録されている「ノウルーズ」という、特に大切なお祭りがある。
アゼルバイジャンでは焚き火の上を飛ぶ儀式が有名で、象徴的な浄化の行為として、焚き火を飛び越え、過去の悩みを捨て去ることを意味するそう。日本の「修験道」の修行の儀式として焚き火を歩く「火渡り」が似ているかもしれない。
◆ なんと「VIVANT」キャストが万博パビリオンに…?主演の堺雅人は、会見で「僕は万博でそこのパビリオンに行きました! 楽しみしかないです」と明かしていた。実際に来場したのだろうか…?「えーと、どうだったか…私がパビリオンにいない時にお越しになったかもしれない。わかっていればご案内できたのに~」と残念がるガハラマンさん。
続けて7月1日に公式Xに投稿されていた、ティザー画像。「これもやっぱりカスピ海ですか?」との質問には、「これは水面以外の景色がわからないから、お答えできない…!」とのことだった。
もしやロケ地は、アゼルバイジャンじゃない…? 新たなティザー画像に対し、SNSにも「ここどこ?」「タイなのか?」とたくさんのコメントが。ますます謎深まる来年の『VIVANT』ロケ地、続報が待たれる。
取材・文/笠島彩子 写真/Lmaga.jp編集部
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