灼熱の万博で野外バレエ…8年ぶり来日の英国名門バレエ団、暑さをものともしないステージに拍手喝采

6月25日『大阪・関西万博』の「ポップアップステージ(東外)」に、いまだかつてみたことのないほどの人だかりができていた。イギリスから来日した「バーミンガム・ロイヤル・バレエ団」のステージを待つ人たちだ。

同バレエ団は、「ロイヤル・バレエ団」と並び、ロイヤルの称号のつくイギリス王室に認められた名門バレエ団で、1931年の設立以来、世界中のバレエファンから愛される存在だ。そんなバレエ団が2018年以来、7年ぶりに来日公演を実施。今回は、生パフォーマンスを間近に観れる貴重な機会ということで、灼熱の太陽の元、屋外ステージに多くの人が集まった。

日本で、野外バレエと言えば、毎年恒例の「清里フィールドバレエ」(山梨県)が有名だが、ここは涼しさとは無縁の灼熱の大阪・夢洲。最高気温は33度の真夏日だ。公演スタート2時間前からステージ待ちの人だかりができ、公演前にスタッフから観客に対し「無理しないで、お水しっかりとってください」など呼びかけるシーンもあった。

この日のステージは、14時にスタート。まずはイギリスバレエと言えばこの人、フレデリック・アシュトン振付の『ラプソディ パ・ド・ドゥ』が男女のダンサーにより披露された。

続けてピーター・ライト振付の『眠れる森の美女』から第2幕ソロ。なおこちらは、今回の同バレエ団の日本公演のうち大阪で全幕が披露される演目だ。

そして、デヴィッド・ビントリー振付の『シンデレラ』より夏と冬のソロがそれぞれ披露された。

そして、新作『カプリッチョ』は、それまでと打って変わってコミカルでシュールな世界観で、観客も釘付けに。

同バレエ団は、2023年に『ブラック・サバス-ザ・バレエ』を新作として上演するなど、ユニークな挑戦も行っており、その片鱗を日本のバレエファンたちにも見せつけた。

ステージ最後のカーテンコールでは、通常のホールなどとは全く異なる特殊な環境で、熱演をみせたダンサーたちに観客たちから大きな拍手が送られた。

今回、リハーサルからステージを見守った奈良県からの来場者は「暑いなか、1時間半ステージを待ち続けた甲斐がある、すぐ目の前で素晴らしいバレエが観れた。これが観れるなら1時間はなんてことないと思えますね」と笑顔で語った。

なお、このステージは、「英国パビリオン」3階で開催される写真展『「拍手の後の静寂』の関連イベント。バレエに魅了されたイギリスの写真家クライブ・ブース氏が、同バレエ団のダンサーたちを撮影した作品が7月2日まで展示されている。入団7年の日本人ダンサーで、この秋に同バレエ団のプリンシパルに就任することが先日発表され、大きな話題となった栗原ゆうのポートレイトも。

この日の立ってるだけでもキツイほどの灼熱の太陽のもとのステージで、ちっとも暑さを感じさせない爽やかな表情で軽やかにステージで踊ったダンサーたちのプロ根性に驚いたが、この写真展は過酷な仕事であるダンサーのウェルビーイングを考えるというテーマもあり、美しいステージの裏側の努力や苦悩も感じさせる。

ただ彼らの美しい写真が展示されているのではなく、バレエダンサーたちの舞台上とは異なるリアルな姿や、心身を陰ながら支える医療の歩みを探る内容となっているのが、さすがイギリスという印象を受ける。

「バーミンガム・ロイヤル・バレエ団」の大阪公演は『眠れる森の美女』を上演。「フェニーチェ堺」(堺市)で7月2日に開催される。チケット詳細は公式サイトで確認を。

取材・文・写真/Lmaga.jp編集部

(Lmaga.jp)

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