「イタリア館より難しい?」万博で評判、海外パビリオンの生演奏とは

「個人的に万博でNo.1」「推しパビリオンに認定」「少人数しか入れないが密度の濃い体験ができる」と『関西・大阪万博』(会場:夢洲)ガチ勢から評判になっているパビリオンがある。東ゲートから大屋根リングをくぐるとすぐに表れる「アイルランド・パビリオン」だ。

アイルランドといえば、アイリッシュミュージック。展示もさることながら、毎日館内のステージで、音楽の生演奏が披露される時間帯があり、「生演奏がすごくいい!」とSNSなどでも評判となり、入場整理券は争奪戦に。「私が思う取りにくいパビリオントップ3」「イタリア館より難易度高いと言われている…」とSNSでも噂になっている。

そんなアイルランドのナショナルデーが6月14日に開催された。同イベントは、午前の公式式典から始まり、午後はアイルランドの伝統音楽とダンスを披露したほか、春の祝祭日「セントパトリックスデー」をモチーフにしたパレードと「アイリッシュ盆踊り」などで構成された。

「レイガーデン」では、日本で活動する3組のバンド「マウントロッコーケーリーバンド」「トヨタケーリーバンド」「CC? Japan」と、ダンスグループ「関西アイリッシュダンサーズ」「M20」が出演。

アイルランドの伝統音楽は、フィドル(バイオリン)、ピアノ、アコーディオン、打楽器、ハープ、バグパイプ、ホイッスル、フルートなどがつかわれる。旋律のメインはフィドル(バイオリン)だが、クラシック音楽とは異なるリズミカルな演奏スタイルが特徴。

日本でも愛好家が多く、演奏者とともに、テンポよく足でリズムをとる観客も多かった。フィナーレでは、ステージと観客席にいた演奏者250名の大合奏に盛り上がり、会場全体がアイルランドの空気感に包まれた。

ちなみに、音楽はどこか馴染み深く感じる。トヨタケーリーバンドは「2曲目は聞き覚えのある方がいらっしゃったんじゃないかと。約300年前に盲目のハープ弾きによって作られた『ロード・インチクイーン』という曲で、『無印良品』のBGMにつかわれていました」と解説。「無印良品」では、世界各国の民族音楽を店内BGMを使用していて、その中にアイリッシュケルトの民謡音楽も使用されている。親しみやすさの理由は「無印」だったのか…?

なお、ダンスは上半身を動かさないステップダンスや、8人で踊るグループダンス(セットダンス)などのさまざまな種類が紹介され、ダンサーのステップが盛り上がると、あちこちから掛け声がかかった。

このように、ナショナルデーで大盛り上がりとなったアイリッシュミュージックは、今後も「アイルランドパビリオン」内のステージで毎日生演奏を楽しめる。こちらのステージは、演者との距離も非常に近いので、存分に音楽に浸れる。

同パビリオンの高橋創さんは、アイルランドで長年音楽活動を行い、今回の万博では、現地から続々と来日するミュージシャンたちとともに、館内ステージでセッションを披露している。定番曲から、そうでない曲まで、幅広いナンバーを演奏し、ライブのMCでは、演奏曲や楽器の解説をすることも。なお、出演するミュージシャンは日によって変わる。

「アイルランド・パビリオン」での生演奏時間は、パビリオン前に置かれているボードで紹介される超アナログ形式。「絶対観たい!」という人は、その日の予定をそちらでチェックしてみよう。

取材・文・写真/太田浩子

(Lmaga.jp)

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