パン…ではなくご神宝!? 奈良&京都で開催中の特別展、グッズが話題

一見すると、フランスパンを袋に入れているかのように見えるが…実はこれ、4月19日に「奈良国立博物館」(奈良市・以下:奈良博)で開幕した『超 国宝-祈りのかがやき-』で超人気のミュージアムグッズだ。その人気ぶりは、開幕4日後にして、公式Xにて「大変好評のため、『お一人様・各1点限りのご購入』とさせていただきます」との個数制限が発表されたほど。一体この話題を集めている長~いグッズの正体は何なのだろうか?

■ 約75cm…触り心地にもこだわりその正体は…なんと、日本最古の神社のひとつ「石上神宮」のご神宝で国宝「七支刀(しちしとう)」のロングぬいぐるみ(大)(8250円)。とても長~く、且つ、ふわふわのモコモコで約75センチもあるという。

さらに、同じくふわふわの「七支刀ペンケース」(2100円)もあり、この2つが人気のため、1人1個までとの購入制限がかかっている。ちなみにこのペンケースは、その見た目から、SNS上で「まるでオオサンショウウオ」との声が上がっている。

これ以外にも、ちょうどこの七支刀ぬいぐるみ(大)がぴったり入るサイズの七支刀ロングトートバッグ(3300円)や手ぬぐいなどもある。このユニーク過ぎるぬいぐるみを考案したのは、同展の主催でもあるNHKエンタープライズの担当者だ。

もともと、さまざまな展覧会グッズのコレクターでもあり、ミュージアムグッズ好き。そのため、このモフモフ感や握り心地、触り心地にかなりこだわったのだとか。「お子さんが持って遊んでも大丈夫なように中に針金などは入れていません」と説明する。

この人気グッズの元となる、石上神宮のご神宝で国宝「七支刀」は、左右にそれぞれ3本の枝刃を段違いに造り出した唯一無二の形状を持つ古墳時代の鉄剣。謎が多いのだが、刀身の表裏にあわせて60余字の銘文が金象眼(きんぞうがん)で刻まれており、その内容から、『日本書紀』に記されている朝鮮半島の百済(くだら)から献上された「七枝刀(ななつさやのたち)」ではないかと推定されている。古代日本の国際関係を知る超一級の資料でもある。

同展の図録に記載されたコラムによると、この異形の姿をした剣は、中国にも朝鮮半島にも例がないという。石上神宮(その前身の布留神社)の霊宝(ご神宝)として、人々が畏敬の念を持って大切にしてきたからこそ、今もなお完全な形で現存している。

会場内では、この名宝とも言うべき七支刀の表裏両面の銘文を至近で確認できるので、必見だ。

■ ご神宝なのに…ここまでグッズ化できるの!?さらに驚くべきことに、「七支刀吹き戻し(ピロピロ)」まで存在する。お値段も1980円と強気でびっくりだが、ご神宝なのにここまでやってしまっていいのだろうかと少々心配してしまうレベルだ。ちゃんと、金象嵌の銘文をシールで貼れるほどのこだわりで芸が細かい。

もちろん石上神宮の許可を得てグッズ化されている。神宮側が吹き戻し(ピロピロ)を許可した理由として、「神道では、息を吹き込むことは穢れを払うなどの良い意味があるから」とのこと。

目の付け所がユニークなので、なぜ七支刀をグッズ化しようと思ったのか先ほどの担当者に聞いてみた。「今は、インスタも縦長動画が人気なので、縦長推しなんです。縦長で上を向いているので、(ユニークグッズで)クスっと笑みがこぼれて、すべて上向きに、ちょっとでも皆さんに幸せになってもらいたくて」と笑う。

ご神宝のグッズなだけあって、運気も上向きになるかもしれない。

■ 同時開催中!「京博」でも長~いユニークグッズ発見『大阪・関西万博』を記念して、奈良博のほか、「京都国立博物館」(京都市・以下:京博)で国宝にまつわる特別展を同時開催中。ここ京博でもロングなユニークグッズやエッジが効いたデザインのグッズが存在する。

長~いユニークグッズの代表は、とぼけた表情が味わい深い埴輪の「抱きしめたくなる ぬいぐるみ」(9900円)だ。オリジナルの作品は、古墳時代の重要美術品「埴輪 鍬を担ぐ男子」。同展は、万博のテーマを意識して、国宝・重文を通じ、「世界に見られた日本美術」「世界に見せたかった日本美術」「世界と出会った日本の美術」という3つの視点で日本文化をとらえ直そうと試みた内容だ。

明治期の日本は、欧米列強と肩を並べようと、パリ万博を機に国家事業として、日本初の西洋式日本美術史『Histoire de l’Art du Japon』をフランス語で編纂した。これが現在の私たちが認識している日本美術史の原型となっている。明治政府は、日本が古代からの歴史やすばらしい美術がある文明国なのだと海外に示そうとして同書を編纂。埴輪を日本彫刻の起源として紹介していたそう。

■ 重要文化財が…派手な柄シャツ&トートバッグに!?同展を観覧すると、日本文化がいかに古今東西の異文化が混じり合い、ダイナミックに形づくられてきたかが分かるのだが、そのダイナミックさの代表例として、重要文化財「鳥獣文様綴織陣羽織(ちょうじゅうもんようつづれおりじんばおり)」がある。大航海時代に南蛮船がもたらしたサファヴィー朝ペルシアの織物を豊臣秀吉の陣羽織に仕立てたもので、いかにも秀吉らしい派手好みだ。

これがなんと、秀吉とおそろいの派手な柄シャツ&トートバッグになって登場した。このシャツを着てグラサンをかけて大阪城へ赴けば、まさに大阪のおっちゃん…ならぬ、現代の太閤さん気分に。

このポーチのオリジナルは、京都・萬福寺(まんぷくじ)の「十八羅漢坐像のうち羅怙羅尊者像(らごらそんじゃぞう)」だ。江戸時代に黄檗宗(おうばくしゅう)の開祖・隠元禅師(いんげんぜんじ)によって萬福寺に招かれた中国の仏師・范道生の代表作として知られている。

羅怙羅尊者は、出家前のお釈迦様の息子で「自分の中に仏がいるのだ」と自らの胸を開いて見せている。彼の胸の内(ピンク色のポーチ内)に一体何を納めたら良いのか…悩ましいグッズだ。

■ すみっコぐらし、両展覧会の公式応援キャラクターに数々のパンチのあるグッズを紹介したが、かわいいグッズももちろんある。両展覧会は、すみっコぐらしが公式応援キャラクターを務めているため、すみっコたちが、それぞれの特別展の目玉展示作品になりきって、さまざまな限定グッズになっている。

5月20日からは、各館の会場特設ショップにて限定「てのりぬいぐるみ」と「てのりぬいぐるみセット」販売予定。5月のGWには、各会場にすみっコぐらしが登場する。

これらのユニークグッズやかわいい限定グッズをきっかけにして、両展を同時鑑賞し、改めて文化財の魅力に触れ、日本美術を楽しんでみるのも良いかもしれない。

奈良博の開館130年記念特別展『超 国宝-祈りのかがやき-』と京博の特別展「日本、美のるつぼ-異文化交流の軌跡-」は、6月15日まで(前期が5月18日まで、後期が5月20日~6月15日まで)。奈良博が一般2200円、高大生1500円。京博が一般2200円、大学生1200円、高校生700円。どちらも中学生以下無料。各詳細は公式サイトにて。

取材・文・写真/いずみゆか

(Lmaga.jp)

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