京都観光を楽しむ4人…幻の展示パネル追加、大阪で開催の「QUEEN展」

2004年に放映された木村拓哉主演のTVドラマ『プライド』の主題歌に『ボーン・トゥ・ラヴ・ユー』が起用されたことや、2018年に公開されたバンドの伝記的映画『ボヘミアン・ラプソディ』の世界的大ヒットなど。周期的に社会現象レベルのリバイバルを巻き起こしながら、今年で結成から50周年を迎えたロックバンド・QUEEN(クイーン)。

ロック史に残る大物洋楽グループは数あれど、ここまで世代を越えて多くのリスナーに愛され、新たに熱狂的なファンを獲得し続けている例は、きっとほかにないだろう。そんな永遠のレジェンドの歩みを、未公開写真や貴重映像などさまざまな展示物によって体感できる展覧会が、「大丸梅田店」(大阪市北区)13階特設会場にて開催されている。

■ 大阪から初展示となるレオタードなど斬新な衣装の数々も会場内は、4人のメンバーの生い立ちからデビュー後の初期に至るまでの「クイーンの原点」から「世界のチャンピオンに」「ライヴ・エイドの奇跡」などの7つのSCENEに分けられ、バンドの歴史における重要ポイントが時系列で楽しめるようになっている。

貴重な写真や当時の彼らが『ミュージック・ライフ』誌に寄せた手書きのコメントなどはもちろん、英国のロック・バンドの登竜門的存在だったマーキー・クラブや、最初にマネジメント契約した「トライデント」が所有するスタジオなどを、映画のセットのように再現した演出もかなり本格的なもの。

さらに今回が大阪のみならず世界初公開(!)となる代表曲『伝説のチャンピオン』のMVでフレディ・マーキュリーが着用していた白黒のレオタードなど、強烈なインパクトを放ったトップ・デサイナーのザンドラ・ローズが手掛けたフレディの斬新な衣装の数々も、来場者を一気にクイーン・ワールドの核心へと引き込んでいく。

その後も、名ライブ盤『ライブ・キラーズ』(79年)のジャケットの一部になれる巨大パネルや、そのツアー時のステージ・セット再現、ディスコ・ファンクなども取り入れながらよりポップなヒット曲を連発した80年代前半など。

クイーンの変遷を目と耳からリアルに追体験することができ、映画では描かれることがなかったライヴ・エイド以降の真の絶頂期についても、バンド史上最大規模にして4人では最後となった欧州ツアーを中心にスポットを当てている点も見モノ。

そして、HIV感染を公表した翌日に45歳で亡くなったフレディとの別れまで、クイーンの濃密な軌跡を辿るとともに、会場に設置された150インチの4面マルチ・スクリーンによる特設シアターでは82年の「西武スタジアム」での公演の映像を鑑賞することもできる(映像内では某球団の野球帽を被ったフレディの姿も!)。

音楽的にはハード・ロックやクラシックから、同時期に英国でデビューした10CCなどとも共通点が見いだせる凝りに凝った曲展開やギター・オーケストレーションの多用、さらにはヒップホップのサンプリング・ソースにも数多く使われたダンサブルな側面まで。

さまざまな要素を統合して唯一無二のスタイルを築き上げたクイーンは、キャリア初期に本国よりも先に日本で熱狂的な支持を集めたことも有名だが、その理由までも今回の展覧会で改めてわかってくるような気がする。『QUEEN50周年展 -DON’T STOP ME NOW-』は5月9日まで続くので、クイーンの音楽に魅了されたことのある方は、ぜひ足を運んで体感してみてほしい。

4月1日から 「QUEEN in KANSAI」パネルが追加展示。1975年初来日時に京都観光を楽しむ4人、1976年2度目の来日で実現した「厚生年金会館」での初大阪ライブ、1982年におこなわれた「西宮球場」公演のリハーサル風景など、初来日からフレディ在籍時最後の来日公演となった1985年まで、クイーンが訪れた大阪、京都、兵庫での様子を見ることができる。入場料は一般1800円、中高生1200円など。

取材・文/吉本秀純

(Lmaga.jp)

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