浮世絵師・歌川広重の『名所江戸百景』全点が集結、『東海道五十三次』シリーズも

江戸時代後期に活躍した浮世絵師、歌川広重(1797~1858)。彼の名作を堪能できる展覧会『広重の名所江戸百景 併催:新収蔵品・新寄託品を中心に』が、「奈良県立美術館」(奈良県奈良市)で1月16日よりおこなわれる。

広重は江戸の定火消の家に生まれた。絵に専念するようになったのは40代半ばからである。彼の名を一躍有名にしたのは、代表作『東海道五十三次』。旅情豊かな作品は庶民の旅への憧れをかきたてた。晩年には江戸の名所絵を手がけ、これらも彼の代表作となっている。

彼は大胆な構図や当時西洋からもたらされた遠近法を巧みに操ったが、奇抜に走るのではなく、しっとりとした風情が持ち味といえる。だからこそ多くの庶民から支持されたのであろう。また彼の作品は欧米でも評価が高く、19世紀後半のフランス印象派やその後のアール・ヌーヴォーに大きな影響を与えた。ゴッホが広重の作品を模写していたのは有名なエピソードだ。

本展では、広重の代表作『名所江戸百景』を前期・後期に分けて全作品を展覧。また『東都名所』シリーズや『東海道五十三次』シリーズも紹介される。江戸の庶民が夢中になった浮世絵風景画の魅力を知る良い機会だ。なお、近年に奈良県立美術館の所蔵・寄託となった作品を紹介する展覧会『新所蔵品・新寄託品を中心に』も併催される。こちらも一緒に楽しみたい。期間は3月14日まで、料金は一般400円。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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