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コロナ禍で懐かしのドライブインシアターが復活、実際に行ってみた

車のなかにいながらスクリーンなどに投影される映画を鑑賞する「ドライブインシアター」が7月31日、全国10カ所のイオンシネマに隣接するショッピングセンターで同時開催された。

1930年代にアメリカで開業され、50年代から60年代に同国でブームになった「ドライブインシアター」。その後は日本でも次々とオープンし、1990年代には全国20カ所以上にまで拡大。ところが上映する場所や時間帯、収益面の問題、シネコンの台頭などによりその数は減少。日本では神奈川県「ドライブインシアター大磯」が2010年10月に営業を終了して以降、常設はなくなった。

しかし2020年、新型コロナウイルスの影響による新しい生活様式が模索されるなか、3密を避けられる「ドライブインシアター」が再び注目された。映画事業を展開するイオンエンターテイメントも、ウィズコロナの時代に向けて「ドライブインシアター」の復活に乗りだした。

この日の上映会場のひとつとなった「イオンモール大日」(大阪府守口市)では、広い屋上駐車場を利用し、車35台分の予約を上限に受付をおこなって開催。

会場に到着してまず注目したのは、映画の投影方法だ。大きなスクリーンを張るのではなく、イオンモールの外壁に作品を映し出すやり方。同会場では『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年)が上映されたが、スパイダーマンの赤いコスチュームが、色鮮やかにしっかり映っている。また、クモの糸を放ってビルとビルの間を飛び回るアクションは、野外かつ屋上という上映環境もあいまって臨場感がたっぷり味わえた。

ちなみに車の配置は、従来の駐車枠をほぼ使わず、スタッフの誘導のもと映写側に向かって斜めに停めるなど工夫がこらされることから、見えづらさはまったく感じなかった。

音声面は、鑑賞前に指定されるFMラジオの周波数を調整する形。こちらも聴きとりにくさはなく、戦闘シーンなどボリュームが大きくなるところでも、音が割れることはなかった。ただ、駐車位置や車間距離によっては音に若干の違いが生じるようで、上映前の時点で混信や雑音がある場合はスタッフが対応をしてくれる。

もちろんマイカーというパーソナルスペースなので、大笑いやボロ泣き、叫び声などを遠慮する必要はいっさいなし。上映中におしゃべりもできる。スマホの音が鳴っても大丈夫。ただ、せっかくならマナーモード設定や電源をオフにして、映画の世界に没頭した方が良いだろう。

飲食類は持ち込み自由。今回は車1台3000円の鑑賞料金に2人分のポップコーン、ドリンクもセットで付いていたが、事前にイオンシネマやショッピングモールなどで食品を買い込んで、好きなものを食べながら映画を楽しむ人の姿も多かった。

この「ドライブインシアター」の立ち上げに携わった「イオンエンターテイメント」(本社:東京都港区)の遠藤一成さんは、同企画について「イオンシネマとしては、映画はもちろん映画館で観てもらいたいです。でもその一方で、どこで、どのように観たかなど、映画は体験が大切であることにも気づきました。ドライブインシアターで映画を観た経験を持つ方が少なくなったので、そういう意味ではこれは新しい映画体験になると思います」と、その魅力について語る。

今回の上映は、映画業界としてどのように新型コロナと向き合っていくかを考えて企画されたものだが、「もし新型コロナが収束したとしても、ドライブインシアターは残っていくのではないでしょうか」と遠藤さんは今後について話す。

「かつてのように常設するのは確かに難しいです。でも、月に1度などイベント的に実施する形なら、可能性が広がる気がします。イオンのほかの店舗にも協力してもらうなど、朝から晩までそこで過ごせるようなものにできれば、より楽しめるはず」と展望をあかしてくれた。

「ドライブインシアター」はイオンモール茨木で8月7日ほか、全国各地で今後も開催予定。

取材・写真/田辺ユウキ

(Lmaga.jp)

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