泉大津市長の訴えで街を挙げてマスク製造、大阪の「毛布のまち」モノ作り企業の強さ

「毛布のまち」として知られる大阪府泉大津市が、3月に「泉大津マスクプロジェクト」をスタート。発案は市長の市民への思いによるものだった。

新型コロナウイルスの影響で店頭からマスクが消えて久しい。そんな折、泉大津市の南出賢一市長が、「地域のなかでもマスクを求め、朝から並んでいる方がいる。地元の力でどうにかならないか」と、行動に移したという。

連続テレビ小説『まんぷく』でヒロイン夫婦が営む製塩業の舞台だった同市。実は、国内で生産される毛布の90%以上の製造を占める、繊維業が盛んな町だ。

「市長から、不足となっているマスクをひとりでも多くの方に行き渡るよう、協力いただきたいと呼びかけがあった」と話すのは、泉大津商工会議所の下柳さん。3月6日に相談を受けてすぐに、これまで培った縫製技術を活かしてマスク製造のできる企業を募った。

手を上げたのは「大津毛織」「カスガアパレル」「岸部毛織」「SASAWASHI」「瀧芳」「日の出毛織」。市内に加え、隣接する和泉市からの計6社だ

市の地域経済課で担当する吉野さんによると、「すぐにでも出して欲しいと急いでもらいました」と製造を依頼。各社から即サンプルが作られ、「地元産業の力、モノ作り企業の強さをあらためて感じました」と話す。

その後、取り扱い店舗にも協力要請し、小売店8店舗での販売が決定。本業の合間に手作業で製作を続け、市長の相談から2週間で各社よりマスクが入荷され3月20日、まず約400枚を販売した。

下柳さんによると、「すぐに欠品が出る。毎日数十枚から百枚程度は製造いただいているが、販売店によっては2~3日入荷できないことも」と反響は大きく、「市長がSNSで呼びかけ、口コミも合わせて市民のみなさんに浸透しています」という。

市の吉野さんも「各社、オーガニックコットンやシルクなど素材のやさしさ、デザインに凝ったり、廃材を再利用するなど、メーカーさんの技術が詰まっています。繊維の製造技術があったからこそ、このような活動ができた」と力が込もる。

4月10日時点では、商工会議所などを含む10カ所で販売。「マスク専門ではないので、製造には一定の時間がかかっています。市民全員に行き渡っているわけではありませんが、できる範囲で」と製造は続けられているという。

市では今後も参加企業を募り、プロジェクトは継続。ただし新型コロナウイルス感染症の収束以降は、「使い捨てではないので、今後は需要を見ながら検討する」とのこと。

(Lmaga.jp)

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