本を作れる書店が京都に、印刷会社と企画

京都府下を中心に展開する「大垣書店」が印刷会社「修美社」(京都市中京区)とタッグを組み、堀川商店街に印刷所併設の書店「堀川 AC Lab(エーシーラボ)」をオープン。本を買うだけでなく、1冊から本を作ることができる。

2018年度は貸しギャラリーとしてアートやクラフトをテーマに運営していたが、5月19日のリニューアルでは、あえてテーマを絞らず、ヒット本や定番書、ロングセラーをそろえたメジャーな品ぞろえの書店に。だれでも訪れやすい「街の本屋さん」的存在を目指した。

普通の本屋と違うのは、活版印刷機を備え、自分で活版印刷ができる(予約制)ほか、デザインや紙選び、印刷方法など、印刷物に関する相談や、名刺、ポスター、グッズなどの制作もお願いできること。それを担当するのが「修美社」だ。「印刷会社はデザイナーやアーティスト、編集者と取り引きすることが多く、なかなか一般の方と接する機会が少ない。でも、ここは老若男女に向けた印刷よろず相談的な窓口が目標です」と、「修美社」の常務取締役・山下昌毅さんは語る。

「本が作れる本屋さんを作りたかった。完成した本をその場で売れるようなサービスが実現出来れば、紙の本屋ならではの醍醐味を素材から楽しめるのでは。例えば思い出の写真で写真集を作ったり、自作の詩集を販売したり、というのが理想です」と、「大垣書店」総合企画部・大垣守可さんは新しい本屋の姿を目論む。

また、本作りへの導入として、さまざまなワークショップも開催される。全5回に渡る写真集を作るワークショップでは、モノクロフィルムカメラの貸し出しから始まり、暗室での現像、ページデザイン、印刷製本までを学び、販売までが一連の流れに。現在は手製本や活版印刷の体験は不定期開催となっているが、将来的には予約なしでおこなえるようにしたいとのこと。

こちらの店舗は、アート・クラフト・伝統産業をテーマにした、同エリアで2020年にオープン予定の「堀川アート&クラフトセンター(仮称)」のプレ事業の一環。それに伴い、京都の伝統産業関係者やアーティストにワークショップや展示販売スペースとして場所貸しもおこなっている(要相談)。完成時には現在の取り組み規模を拡大し、飲食店や宿泊施設なども入る予定とのことで、周辺エリアの展開にも注目だ。

取材・写真/天野準子

(Lmaga.jp)

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