奈良・春日大社のだ太鼓が華麗に復活、国宝の数々も展示

鎌倉時代から伝わる『だ太鼓<Da-Daiko>』展が「春日大社国宝殿」(奈良市春日野町)で、9月1日までおこなわれている。昭和51年まで用いられてきた「だ太鼓」(重要文化財)を中心に、舞楽面や楽器、武具などが紹介されている。

だ太鼓は屋外の舞楽演奏に用いる左右一対の太鼓で、春日大社のものは総高6メートル58センチ、総重量1434キロ(台座を含む)と日本最大級の威容を誇る。源頼朝寄進の伝承が残る鎌倉時代の作で、約800年にわたり春日大社、興福寺、東大寺で用いられてきた。2015年4月から約4年に及ぶ本格修理がおこなわれ、X線調査の結果、平家の南都焼き討ちからの南都復興に携わった一流仏師の作(おそらく慶派)とみて大過ないことが認められた。

展示室に設置されただ太鼓は、暗色の背景や抑えた照明も手伝って、一種荘厳な雰囲気。火炎宝珠と龍、鳳凰の彫刻が圧倒的な躍動感を放っており、見事というしかない。今回の修理では現状を重視したが、かつては金銀極彩色に着色されていた。その姿は同館1階に展示されている現在のだ太鼓で確認できるので、新旧の2対を見くらべるのも一興だ。

また本展では、平安時代から江戸時代の舞楽面(重要文化財が多数)、平安時代の琴、笙(いずれも国宝)なども紹介。別室では「アート・オブ・サムライ」と題して、「黒韋威矢筈札胴丸」(国宝)をはじめとする刀剣、小具足、馬具も展示されている。料金は一般500円。

取材・文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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