大阪の国立民族学博物館で、時代や世相を読み解くおもちゃ展

江戸時代から1970年代までの日本のおもちゃをテーマにした特別展『子ども/おもちゃの博覧会』が「国立民族学博物館」(大阪府吹田市)で3月21日からおこなわれる。

おもちゃの展覧会と言っても、ただかわいい、懐かしいだけではない。おもちゃを通して、時代や社会の変遷を振り返るのだ。たとえば江戸時代のおもちゃは、作られた地域の地理、歴史、文化との関りが深く、子どもの誕生や健やかな成長を願ったものが多い。

明治時代になると西洋文化が積極的に取り入れられ、学校や軍隊の制度が施行されたことにより、おもちゃも大きく変化する。その一例が富国強兵政策と密接に関連する、戦争を題材にしたおもちゃ。第2次世界大戦後は、アメリカへの憧れを反映したおもちゃをはじめ、科学技術の発展を取り込んだ新技術・新素材のもの、最先端のファッションを取り入れた少女人形など、多彩なおもちゃが登場する。展覧会はおおむね時代ごとに分類され、全5章で構成。展示総数は約1300点に上る。

おもちゃは子ども向けだが、それらが作られた時代の社会、世相、価値観が色濃く反映されている。親子ともども楽しめ、家族のお出かけにも向いている。期間は5月28日まで、料金は一般420円。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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