京都・南座、改修工事2年を経て内部が公開
約400年前に歌舞伎小屋として出発した、日本最古の歴史を持つ劇場「京都四條南座」(京都市東山区)。2016年から始まった大規模な耐震改修工事が完了した10月22日、その内部がメディアに公開された。
先日、管理する松竹の武中雅人専務が、「耐震補強をクリアした上で、景観を変えずに保存するという非常に難しい作業でしたが、これをなんとか2年という工期で仕上げてもらえた」と話したように、今回の工事の大きな目玉は、国の登録有形文化財にも指定されている建物(1929年創建)を可能な限り保存・修復したこと。特に「芸術的」とも言われる内装は、工事前に内観の3Dモデルを作成し、格子状の天井やアール・デコ調の照明など、細部に至るまでの復元を実現している。
その一方で、客席を以前よりゆったりした椅子にリニューアルし、要望の多かったエレベーターを設置するなど、劇場空間の快適さは大幅にアップ。芝居だけでなく、ただ劇場内にいるだけでも、より楽しめるものになるはずだ。一般お披露目となる新開場は、松本白鸚、松本幸四郎、市川染五郎の襲名披露公演となる『吉例顔見世興行』で11月1日に幕を開ける。
取材・文・写真/吉永美和子
(Lmaga.jp)