松本幸四郎、自らの発言に思わず「そっちに訂正させて」

2年9カ月の耐震補強工事を経て新しくなった「京都四條南座」(通称:南座/京都市東山区)で11月、二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎、八代目市川染五郎が襲名披露。そのなか、白鸚が富樫、幸四郎が弁慶、染五郎が義経と、親子孫3代で上演する『勧進帳』は、『吉例顔見世興行』において史上初と注目が集まる。

幸四郎は、「これまで3度、『勧進帳』の弁慶を演じてきました。そのたびに、富樫と対面する関所の場面で『ごめんなさい、これは義経です』とバラしてしまおうかと思っていました。毎回、命がけで関所を通るのだという弁慶の気持ちを忘れずに勤めています」と告白。

すると、その隣で白鸚が「今、幸四郎が『ばらしてしまおうか』と言いましたが、私が弁慶をやっているときは、『(義経という)主君を売って、自分も自害をしよう』と思っていました。『ばらそう』というのではなく」とニヤリ。幸四郎は、思わず「・・・そっちに訂正させてください」と苦笑いし、笑いを誘った。

白鸚は「富樫には武士の情けがある。武士の情けというものは人間の情けよりもうひとつ、深いものがあります。主君を通そうとする弁慶の心を慮ってやる、男の花意竹情ですね」と、富樫について語り、一方で「でも『勧進帳』の主役は義経なんです。六代目菊五郎さんもよくそうおっしゃっていました。恐らく孫もそう言うと思います」と染五郎に水を向けた。

染五郎は、「義経が主役というのは父が言っていました。今年1月の襲名披露で義経の役を初めてやらせていただきましたが、まだ先だと思っていたので最初はすごくびっくりして、勤めきれるのか不安もありました。でも、義経の役で舞台に立っていると劇場がいつもよりきれいに見えて、大好きな役になりました。11月の南座では、1月できなかったことをすべて直して、完璧なものをお見せしたいと思います」と気を引き締めた。舞台は25日まで、チケットは一等席25000円ほか、10月15日に発売。

取材・文・写真/岩本和子

(Lmaga.jp)

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