48年ぶりに再生公開される万博「太陽の塔」見逃し厳禁は?

大規模改修、耐震工事を経て、内部再生事業を終えた「太陽の塔」(大阪府吹田市)が3月19日から公開。48年ぶりに全ぼうを現したその内部の見どころをいち早く紹介する。

新しいエントランスは、地下からスタート。グラフィックデザイナー・佐藤 卓が作った新しいロゴマークが目印だ。1970年当時の「地下展示」の際には、祭壇の中央で儀式を司っていた巨大な仮面「地底の太陽」が、今回新たに作成。「いのち」「ひと」「いのり」という当時の展示の3つのテーマにそって制作された映像が2分間ずつ、プロジェクションマッピングで照射。黄金に輝く太陽がさまざまな色に彩られるシーンにまず魅了される。

会場では、さまざまな生物が配された「生命の樹」の周りを階段で上りながら鑑賞するが、BGMに合わせて赤や青に彩られる照明の演出がユニーク。音楽は当時「天上の歌」「生命の賛歌」「地上の歌」と階層により異なる音が流れていたが、今回は音楽家・黛 敏郎(1929-1997)による「生命の讃歌」のみを採用し、スピーカーの位置などを調節して、音響効果も高まった。黛 敏郎は、戦後のクラシック音楽、現代音楽界を代表する音楽家のひとりで、テレビ番組『題名のない音楽会』の司会も務めている。

最上階まで上れば、塔の両腕をむすぶ回廊となる。かつては右腕内のエスカレーターで大屋根内部に進め、左腕は大屋根への非常階段となっていた。今は照明効果によりサイバーな雰囲気が楽しめる。また、回廊では「生命の樹」の生物のうち、唯一1体だけ、当時のまま展示されるゴリラを間近で見られる。残念ながら頭部はないが、電子制御装置で動かされていたことがうかがえる骨組みがあらわになっている。また、解説に使われていたパネルも当時のままのものがいくつか使われており、こちらにも注目を。

帰路となる通路には、岡本太郎の言葉や、「太陽の塔」が作られた軌跡、芸術としての「太陽の塔」についてや、今回の内部再生事業の経緯がパネルで展示されている。私たちにとって身近な「太陽の塔」を、じっくりとおさらいできるので、帰りもエレベーターではなく階段をおすすめする。

(Lmaga.jp)

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