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ISPSがNZ五輪委員会の東京五輪公式チャリティーパートナーに

 (左から)マイク・ティンダル氏、リッチー・マコウ氏、ブレンダン・スキャネル元駐日アイルランド大使、エンダ・ケニー元アイルランド首相夫妻、半田晴久ISPS会長、ザラ・ティンダル氏、サー・ジョン・キー元ニュージーランド首相、ピーター・フィリップス氏、ダン・カーター氏
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 実業家や芸術家として幅広く活動する半田晴久氏(68)が会長を務める「一般社団法人 国際スポーツ振興協会(ISPS)」が、このほどニュージーランドオリンピック委員会(NZOC)の「2020東京オリンピック」公式チャリティーパートナーに就任。10月31日に都内で同委員会とともに「ニュージーランド・オリンピック・ガラ2019」を開催した。ニュージーランド五輪代表の活躍への期待を分かち合うことに加え、日本でのラグビーW杯の盛り上がりをそのまま2020東京五輪パラリンピックへと橋渡ししようとするもので、日本、ニュージーランドを中心に各国から多くのVIPが駆けつけ、スポーツを通じた社会貢献への機運を高めた。

 会場となった都内の一流ホテル。世界中の超大物たちがレッドカーペットの上をかっ歩し、続々と会場入りしていく。華やかな雰囲気は、まさに世界随一の社交場だった。

 その中には、ニュージーランド(NZ)元首相でISPSの総裁を務めるサー・ジョン・キー氏、アイルランド元首相のエンダ・ケニー氏、そしてオーストラリア元首相のトニー・アボット氏と3人の元首相。さらにラグビーW杯の期間中とあって、NZ代表(オールブラックス)のリッチー・マコウ元主将、イングランド代表のマイク・ティンダル元主将、南アフリカ代表のフランソワ・ピナール元主将と、代表チームで主将を務めた3人のISPSアンバサダーが勢ぞろいした。

 「3人の元首相と元主将」が一堂に会するのは世界中を見渡してもまずお目にかかれない。ほかにも英国王室、NZの五輪委員会の重鎮や世界の五輪金メダリストら顔を合わせた。ちょうどパーティー直後の週末は、開催中のラグビーW杯の決勝、3位決定戦が開催される。オールブラックスの進出を見越して、この日の開催となったが、その予測とおり、NZだけでなく、イングランド、南アフリカなど世界各国からVIPが集結。大いに盛り上がりをみせた。

 ホスト国・日本の半田晴久会長は、紋付きはかま姿の正装で出迎え「今日は3国の“元首相”と“元主将”がそろう貴重な機会」とあいさつ。中心となって積極的に交流の輪を広げていった。

 半田氏が会長を務めるISPSは、今年1月にNZオリンピック委員会の「2020東京オリンピック」公式チャリティーパートナーに就任した。その活動は主にNZ選手団の東京五輪出場を支援するもの。同選手団の活動により日本の学校やコミュニティーにスポーツを届け両国の絆を深めていくことを目的としている。

 「スポーツの力で社会貢献」「スポーツを通して幸せと楽しさを届けたい」を掲げ、スポーツ振興を通じて社会福祉活動や国際協力活動を行う「ISPS」。今回の就任は、まさにその活動意義そのものとなった。

 そもそも今回の交流は、半田氏の個人的な活動が大きく発展し国境を超えた深い絆となったもの。半田氏とNZの深い関係の始まりは20年以上もさかのぼる。クイーンズタウンに家を買い、そこを拠点にオペラの練習に励んだ。同時に男女ゴルフ大会のスポンサーなどチャリティー活動を行うことになった。

 大きく動いたのは2011年のクライストチャーチの大地震。現地の建物が大きく崩壊。企業の倒産など相次いだ。そんな時に当時首相だったジョン・キー氏から「ガッカリと落ち込んでいる街の人たちを勇気づけ、元気づけるためぜひゴルフのトーナメントを!」と要請を受け「NZ女子オープンゴルフ」を開催。これで街が盛り上がり「1年間で一番いいイベントだった」と評価された。そこから現地のゴルフ界、スポーツ界との関係を深めていった。

 ある年このゴルフ大会のパーティーではニュージーランドの五輪協会とパラリンピック協会に同じ金額を寄付。これにパラ協会の関係者が「五輪と同じように考え同じ寄付をしてくれた。さらに、その金額は協会史上過去最大」と涙を流し喜んだ。

 「スポーツを通じた社会貢献」を掲げブラインドゴルフなど障害者スポーツを支援。障害者に生きがいとやりがいを届けるISPSでは、五輪と同時にパラリンピックを重要視している。この寄付姿勢は当たり前のことだった。これでさらに関係を深め、その後も支援が続き今回の東京での五輪開催に合わせこのパートナー就任へとつながった。

 W杯ラグビーの3位決定戦「NZVSウェールズ」の前日に開催されたとあって、壇上でのトークもラグビーの話題が中心。元主将らラガーマンらが会場を巻き込んで舌戦を繰り広げ、翌日の勝敗予想や、準決勝でNZがイングランドに負けたこと、決勝戦(イングランドVS南アフリカ)の勝敗予想などラグビーの話題で盛り上がった。ほかにもロブ・ワデル(シドニー五輪男子ボートシングルスカル金メダル)や英国王室のサラ・ティンダル(ロンドン五輪馬術銀メダル)ら五輪メダリスト、ルーカ・ジョーンズ(リオ五輪カヌー銀メダル)が登壇して東京五輪へのトークを展開。まさに「W杯の盛り上がりを東京五輪に橋渡しする」にふさわしいパーティーとなった。

 登壇した五輪関係者が支援に感謝する中、リッチー・マコウも「(半田氏の)世界中の活動はすばらしい。優しい心を持ってあらゆるスポーツを支援されている。ニュージーランド人として、世界の真逆からやってきてアスリートの支援をしてくださる姿に感銘を受ける」とアスリートの心を代弁。半田氏に感謝の言葉を送った。

 「みんなスポーツを通じて社会をよりよく幸せにしようという価値観で集まっている。スポーツで励まし勇気づけ、喜びと感動をNZと日本、そして世界の人々と分かち合いたいね」と半田氏。その思いをさらに強くしていた。

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