男・前田打ァ!広島工が延長激闘制す
「高校野球・広島大会3回戦、広島工5-3福山工」(19日、コカ・コーラW)
3回戦8試合が行われた。広島工は延長十回の末、福山工を5-3で下した。2年生で4番を務める前田研輝捕手が、決勝の左前適時打を放った。接戦を制し、3年ぶりの甲子園出場へまた一歩前進した。
左前に抜ける打球に、ベンチは総立ちになった。3-3の延長十回1死三塁で生まれた勝ち越しの一打。「絶対打ってやろうと思っていた」。殊勲打の4番・前田も一塁の手前で、雄たけびを上げて感情を爆発させた。
試合前、選手全員が松岡法彦監督(46)から“喝”を入れられた。ウオーミングアップから集中力を欠き、試合に臨む一体感が欠如していたのがその理由だ。負けたら終わりの一発勝負。「目が覚めた」。気持ちを入れ直しグラウンドに立ち、結果を残した。
同じ姓の元広島・前田智徳に憧れていた。幼少期は旧広島市民球場に通い熱視線を送った。「チャンスで打っていた。自分もそうなりたいと思った」。打席に入るとき、天才打者のようにバットを立てるしぐさをして集中力を高めたこともある。その一挙手一投足を参考にしてきた。
「次の試合もチャンスで1本を打ちたい」と力を込めた。4番の仕事を果たし、3年ぶりの甲子園出場をかなえてみせる。