箕島、尾藤スマイルが逆転呼んだ

 「高校野球・和歌山大会2回戦、箕島4-3紀北工」(11日、紀三井寺)

 和歌山大会は、甲子園で春夏4度の全国制覇を誇る箕島が「尾藤スマイル」で紀北工に逆転勝利を収め、初戦を突破した。

 「尾藤スマイル」が試合の流れを変えた。箕島・尾藤強監督(45)の浮かべた笑みが、選手の力を最大限に引き出した。2年生・岡本響介外野手が決勝点となる逆転打。箕島の代名詞とも言える逆転勝利でシード校の紀北工を撃破した。

 「スライダーを思いっきり振りよったから」と明かした指揮官。1点を追う二回2死満塁、岡本が初球のスライダーを強振した。だが緊張からか、腰砕けとなったスイングは空を切る。その直後、岡本の目にはベンチで笑っている尾藤監督の姿が飛び込んできた。

 「あれでほぐれました」。すると岡本は、追い込まれながらも5球目の外角直球を捉えた。痛烈な打球が二遊間を破る逆転の2点中前打だ。

 一回裏の攻撃で三振した打者が二盗を阻止する捕手を守備妨害し“併殺”で攻撃が終わった。直後に先制点を奪われ、重苦しい雰囲気になったが「これも含めて野球なんだよ」と尾藤監督。父親の故・尾藤公元監督時代をほうふつとさせる箕島野球-。逆境をひっくり返す強さが際立った。

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