松山東・亀岡 イチロートレで夏も聖地

 「高校野球・愛媛大会抽選会」(21日、にぎたつ会館)

 21世紀枠で82年ぶりに出場した今春センバツで1勝を挙げた松山東(愛媛)。原動力となったエース右腕・亀岡優樹投手(3年)が、最後の夏に向けて進化を図っている。イチロー(マーリンズ)らが実践するトレーニング法を取り入れ肉体強化。頭脳的な投球にスピードとパワーを加え、65年ぶりの夏の聖地を目指す。21日には松山市内で組み合わせ抽選が行われ、第3シードの松山東の初戦は7月15日の2回戦、北条-大洲農の勝者との対戦に決まった。

 アルプスの応援団を熱狂させたセンバツから3カ月。日常を取り戻した学校グラウンドのブルペンで、松山東のエース・亀岡は黙々と右腕を振っていた。

 「甲子園で勝てたことは自信になりました。でも夏はもっと厳しいですから、自分も成長しなければと思ってやっています」

 巧みな投球術で強豪・二松学舎大付(東京)を下し、準優勝した東海大四(北海道)とも接戦を演じたセンバツ。俳人・正岡子規らを輩出した県内屈指の進学校としても注目を集めた。学業との両立を図るため練習時間は短く、グラウンドは他の運動部と共用。そんな進学校ゆえの環境の厳しさはもちろん、センバツ前と何も変わっていない。

 限られた時間の中で、亀岡は進化を目指している。掲げたテーマの1つが球速アップ。春は130キロ台前半だった球速を「140キロに近づけたい」と話し、5月から週2回、松山市内のジムに通うようになった。

 そこで取り組むのが「初動負荷トレーニング」。イチロー(マーリンズ)が長年続け、山本昌(中日)や内川聖一(ソフトバンク)らも実践する肉体強化法だ。

 専用の器具を使い「球のスピードやキレをよくするために、肩や股関節の柔軟性を上げて可動域を広げたい」と亀岡は説明。まだ始めて1カ月ほどだが「だいぶ柔らかくなった。球の威力が増したと思う」と効果を実感している。

 スタミナの強化も重要なテーマだ。昨夏は県大会決勝まで進んだが、連戦の疲労で球威が落ち、小松に完敗を喫した。その苦い経験を糧に「下半身を鍛え直しました」と亀岡は自信たっぷりに言う。

 甲子園で全国の強打者をほんろうした頭脳的な投球も、女房役の米田圭佑主将(3年)との二人三脚でさらに磨きがかかるだろう。

 松山東の夏の甲子園出場は、松山商との統合で全国制覇した1950年までさかのぼる。「最後の夏ですから、自分の持っているものを全て出したい」。秀才軍団のエースは、65年ぶりの夢舞台を目指して着実に歩を進めている。

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