蔦夫人「先生、よう勝ったな言う思う」
「選抜高校野球・1回戦、池田4‐3海南」(22日、甲子園)
池田高校の亡き蔦監督の夫人、キミ子さん(91)は、徳島県三好市の自宅から声援を送った。劇的なサヨナラ勝利に「先生が生きとったら、よう勝ったな、言うと思う」と喜んだ。
試合開始5分前、テレビの前に座った。「やっぱり甲子園の野球が一番ええ」。グラウンドを「IKEDA」のユニホームが駆け巡る。27年ぶりのセンバツ出場。「あの頃、うちの先生はムチャクチャ練習しよった」と懐かしげに振り返った。
苦しい試合展開が続いたが、「せっかく甲子園に行ったら、1回でも勝ってほしい。ひとつも勝たんで戻って来るんはいかん」と反撃に期待した。1回でも‐。その思いに応えるかのように八回、池田が反撃開始。サヨナラ勝ちを飾った。
「いや、もうなあ。負けてもしようがない思うたけど。勝つ稽古ができた。次も勝ちます」。全盛期は「蔦寮」の寮母として一度に50人前後の選手を支えた。時代は変わっても、全力で奮闘する池田ナインを温かく見守り続ける。