聖光学院・和田、祖父と同じ舞台に

 「高校野球・2回戦、浦和学院11‐4聖光学院」(17日、甲子園)

 聖光学院・和田悠佑投手(17)の最後の夏は甲子園のマウンドに上がることなく幕を閉じた。「負けたので、おじいちゃんにはいい報告はできなかった」。祖父は西鉄で現役を終え、西武、阪神でコーチを務めた和田博実さん。09年6月膵臓(すいぞう)がんで他界した。天国に勝利を届けたかったが、2回戦敗退。うっすらと涙を浮かべ悔しがった。

 小1から投手で、幼少の頃は、捕手役でボールを受けてもらったことも。元西鉄・稲尾和久氏(享年70)とバッテリーを組んでいた祖父から「稲尾さんの話はしてました。ピッチングはスピードじゃないぞ。キレとコントロールだぞと」と、実体験を聞かされた。その話は、今でも投球する上で生かされている。

 思い出は尽きない。中学2年時、亡くなる前の2月、末期がんの死期を悟っていた祖父からは病床で新品のグラブを渡された。最後の誕生日プレゼント。その形見を甲子園で使うことができ「喜んでくれたのでは」と涙をこらえた。

 祖父の勧めで入学した聖光学院では苦労の連続だった。今年4月の右肘痛の発症もあり、エースナンバーを背負うことなく、夏が終わった。それでも父・浩典さん(49)は「父がタイガース時代に踏んだ甲子園の土を踏んでると思うと…。うれしい」。声を詰まらせた。

 「最終目標は甲子園ではない。この悔しさを次のステージにつなげる」と悠佑。聖地での快投はかなわなかったが、目標のプロ野球選手へ不断の努力は続けていく。

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