”昭和”当時の某調教師の指示「ノーズ、ゴー!」 その意味は?

 先週まで滞在していた小倉の街を歩いていると、とても国際色が豊かだと感じる。しかし外国人たちは不思議なもので、日本人に何かを尋ねる際には母国語か英語が常だ。「ここは日本だ、日本語で聞かんかい!」と思ってしまうのは私だけなのだろうか。

 現在、JRAにはご存じの通りミルコ・デムーロ騎手、クリストフ・ルメール騎手が所属。以前はともに通訳を伴ってインタビューいたが、今は直接受け答えをしている。まあ、JRAの騎手ライセンスを取得するには日常生活に困らないくらいの語学力が必要で、合格時から通訳はつけられないと書いた方が適切か。

 当初は「ちょっと、何言っているか分からないよ~」とどこぞの芸人のギャグみたいな状況に陥っていたが、2年という年月が経過し今では日本人ジョッキーよりも面白いコメントを発信してくれるケースもある。本当に驚くばかりだ。

 短期免許で来日する外国人騎手も通訳はいるが、複数回来日しているジョッキーは片言でも一生懸命に日本語で話そうとする。なかなかの姿勢である。

 逆もまたしかりで、外国人騎手と普通に会話ができる日本人の騎手や調教師も今では珍しくない。モロに”ジャパニーズ”の顔つきながら、栗田徹調教師などは英会話学校へ通っているほど。恐らく競馬界に限らないと思うが、今や何カ国語も話せるのは当たり前の時代になったのか。

 30年前は、こんなことがJRAで起ころうとは夢にも思わなかった。外国人騎手といえばジャパンCの週くらいしか現れず、当然今のように競馬に精通した通訳らしき人物もいない。

 聞いた話だが、ある調教師が世界の名手へ騎乗を頼んだそうで、「逃げてもらいたい」との指示を出した。ただ、伝えた言葉は「ノーズ、ゴー」。”ハナへ行け!”と本人はご満悦だったのだろうが、当然通じるわけはなく、逃げることはなかった…そうだ。当時は外国人騎手への対応は大小の違いこそあれ、そんなことが普通だったな。

 いろいろと書いているが、実は私も昭和を引きずっており、外国語は一切駄目な一人。定年まであと5年であることを考えれば、今さら勉強しようという向上心もなかなかわかない。というわけで、活躍するのは日本語の話せるジョッキーで!思っている昨今です。

(馬サブロー美浦支局・玉川 祝)

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