【ボート】伸び型選手がレースも舟券も面白くさせる

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 令和元年のボートレースも残すところあとわずか。今年を振り返ると、ペラを“伸び特化型仕様”にする若手選手のブレークが目立った。

 記念戦線では桑原悠(32)=長崎・102期・A1=とが下出卓矢(33)=福井・99期・A1=の2人が存在感を発揮した。

 桑原が飛躍のきっかけをつかんだのは2月のG1・九州地区選(芦屋)。チルトを0・5度に跳ねて準優を5カドまくりで制すと、3号艇で迎えた優勝戦では3カドに引き、スリットから伸ばして豪快弾。鮮烈なまくりでうれしいG1初制覇を挙げた。

 その優勝で出場権を手にした3月のクラシック(戸田)では、SG初出場ながら初優出。その名を全国にとどろかせた。

 下出も今年、念願のG1タイトルをゲットした。10月の平和島周年の予選ラストではチルト1・0度で大外まくりを披露し、予選をトップで通過。そのままVまで駆け上がった。

 個人的に最も印象に残ったのは11月の住之江一般戦「GOLD CUP」を制した佐藤大佑(29)=東京・106期・A2=だ。

 平凡だった33号機を節イチの伸びに仕上げ、優勝戦は「最後まで隠しておく」と話していた3カドからまくり切った。そもそも“伸び仕様のペラ”との出会いは偶然だったそう。

 「前操者のペラがたまたまそうだった。みんなは乗りにくいと言うけど、自分にはこれが乗りやすかった」。運命の出会いが佐藤のレーサー人生を大きく変えた。

 伸び型選手は豪快なレースだけでなく、舟券の推理も面白くさせる。そういった選手がカドからまくって行くと、その1つ外の選手に展開が向く。まくり切り想定の舟券を買うも良し、1つ外のまくり差し舟券を買うも良しだ。

 また、そのような調整は伸びと引き換えに出足が甘くなりがちになるため、インであっさり敗れる場面が多い。実際に前述した住之江一般戦で佐藤は2回のイン戦で大敗している。ピット離れも劣勢になることが多く、平和島周年の優勝戦1号艇だった下出はピット離れで遅れ、2コース回りになっていた。

 社内事情によりボートレース担当としてこのコラムを書くのも最後だが、担当を離れてからもそういった選手がいるレースは積極的に舟券を買い続けたい。(関西ボートレース担当・山本裕貴)

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