【ボート】節目の勝利に立ち会えた7月の尼崎
「ボートレース記者コラム・仕事 賭け事 独り言」
内容の大小にかかわらずおめでたいことはいいもの。前回の当欄で亀本勇樹(57)=広島・57期・A2=の通算2000勝を紹介させてもらったが、その後、3つのおめでたいことがあったので紹介させてもらう。
まず1つ目は7月16~22日に開催された尼崎一般戦の2日目8Rで重野哲之(40)=静岡・83期・A1=が通算1500勝を達成。2号艇だった重野は超抜機のパワーを遺憾なく発揮して、2コースからコンマ13のトップSを決めて豪快にまくった。
「この年を考えれば2000勝は無理だろうね。けどファンのみなさんのおかげ」と銀髪を振りかざし、はにかんでいたのが印象的だった。
2つ目は同じ開催の3日目1Rで樋口喜彦(36)=兵庫・90期・B1=が通算500勝を達成。デビュー初勝利に初優勝と思い入れの深い地元・尼崎で決められたことは、涙こそなかったが本当にうれしそうだった。
写真撮影をお願いしたときも、「そんなに下から撮らないで、もっと上からきちんと撮ってよ」とニコニコ笑顔。500勝まで17年2カ月ほど時間を要したが、「次、1000勝は18年後。いくつになるんや」とリップサービスしてくれたが、本当にうれしそうで、見ていた私は少し目頭が熱くなった。
3つ目は7月27日~8月2日に開催された尼崎一般戦の2日目2Rで、坂本雅佳(24)=岡山・121期・B2=がデビュー初勝利を決めた。
225走目と時間は掛かったが、「掛かり過ぎました。けど最高って感じ」と普段は他艇の後ろばかり見ての競走だっただけに、4コースからまくって他艇の後じんを拝することがなかっただけに喜びもひとしお。
自分自身のリズムが悪い時は、他人のいいことをねたんだりもしがちだが、人の幸福はいいもの。これからもボート選手の“いいこと”をたくさん見せてもらい、それを自分のプラスのエネルギーとし、舟券も含めどんどん自分の幸せに転化していきたい。(関西ボート担当・黒岡浩二)