【ボート】コース取りから熱い戦いを

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 24日に住之江ボートで行われた、ボート界最高峰のレースSGグランプリは、桐生順平(31)=埼玉・100期・A1=の優勝で幕を閉じた。記者になって5回目のグランプリ。ただ、昨年までとは違い、今年はとても熱いシリーズに感じた。

 演出したのは、アグレッシブなコース取りに他ならない。最近は、ほとんどのレースが進入での駆け引きがない枠なり全盛時代。内から先に回る競技とやゆされても仕方がない状況になっている。だが今シリーズ、特にトライアル2ndからの戦いは見応え十分。コース取りからどうなるのか予想がつかず、久しぶりにドキドキしながら舟券を握りしめレースを見た気がする。

 最も印象的だったのが、トライアル2nd3回戦の12R。地元の石野貴之(35)=90期・大阪・A1=は、ここまで2走5、2着。ファイナル進出へは2着以上が絶対条件だった。前日の枠番抽選で引き当てたのは2号艇。ならば予想は2コース死守が当然。S展示でも2コースに入り、誰もが本番も…と思ったが、最終的に石野が選択したのは5コースのカド戦だった。

 場内はどよめいたが、結果は一気のまくりで1着。見事ファイナル進出をもぎ取った。もちろん記者の予想は外れ、舟券は紙くずに。それでも、いいレースだったと心から思えた。

 優勝戦の井口佳典(40)=85期・三重・A1=も、2号艇ながら6号艇の菊地孝平(39)=82期・静岡・A1=の前付けに無理に付き合わず、4コースのカド戦を選択。結果はダッシュ3艇そろってS立ち遅れという残念な形になったのだが、圧倒的な伸び型に仕上がった相棒の10号機を考えれば、このコース選択は間違いではなかったと個人的には思っている。

 圧倒的な勝利への執念を感じた今シリーズ。ただ、このグランプリという舞台だけのものにするのではなく、全てのレーサーが、たとえ一般戦であっても、同じように熱い戦いを繰り広げてくれることを切に願っている。(関西ボート担当・上村武馬)

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