【ボート】レース足は選手に好成績を運んでくるが、伸びは好配当を運んでくる

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 海の向こうでは日本時間8日に、NFLの2017年シーズンが開幕した。アメリカンフットボールは、野球と同じように攻守交代制。攻撃と守備は通常、全く違う選手が担当する。そういうわけで同じ球団でもオフェンスチーム、ディフェンスチームと区別されて、球団によって攻撃は弱いが、守備は強いなどという特徴が明確に表れてくる。

 そこでよく使われる格言が「オフェンスはチケット(の売り上げ)を運んでくるが、ディフェンスは勝利を運んでくる」というもの。攻撃が強い球団はファンを熱狂させる派手な勝ち方をしやすいが、守備の強い球団は試合をコントロールして勝利に結びつけやすいということ。自分はこの格言が昔から好きで、実際に伝統的にディフェンスが強い球団を応援している。

 では、ボート界にも格言は存在するのだろうか。先日、印象的なレースがあった。9月2日、まるがめの「デイリースポーツ創刊70周年記念競走」最終日11R。1号艇はレース足がしっかりしていた横田茂(広島)、2号艇は伸びが強めの大橋純一郎(静岡)。自分の新聞上の予想は、イン横田を本命。しかし、大橋の評価は伸びがいいとはいえ2コース向きではないと判断。出足がなければ2着の可能性は高くても、横田を負かすことはないと予想して評価に下げていた。

 結果はどうだろう。1Mは完全に2コース大橋の差しが入った形。だが、回った後の足でイン横田がグイッと突き放した。まさに自分の読み通り。レース足がある横田の逃げで決着…と、思ったのだが、そのあと大橋がスルスルと内から伸びて横田を捕まえると2M先マイ。終わってみれば1着は大橋、2着は横田。結局は伸びのいい選手が、勝利をもぎ取る形となった。

 大橋が2コース向きの仕上がりではないと、多くのファンも考えていたのだろう。3着が3号艇の矢後剛(東京)で、上位3人がA級レーサーにも関わらず(2)(1)(3)で3連単3660円。普通に狙えるオイシイ舟券だったではないか。

 伸びが良くても出足、回り足を求めて、調整を手前に持ってくる選手は多い。その方が自分のレースができるし、伸びだけでは大敗する可能性も高いので当然のこと。しかし、やはり舟券的には伸びのいい選手が魅力的に映る。そして、確率は低くても思わぬ好配当を期待してしまうのも伸びがいい選手。そこで、この格言を残したい。「レース足は選手に好成績を運んでくるが、伸びは好配当を運んでくる」。(まるがめボート担当・岡 浩司)

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